連続ドラマ

『神谷玄次郎捕物控2』第一回『出合茶屋』

昨夜は、あまたの欲求不満の時代劇ファンにとって、ちょいとした祭りであった。 惜しまれながら完璧な幕切れを迎えた『神谷玄次郎』なので、はんぱな出来では「こんなことなら続編なしのほうがよかった」などと言われかねない……が、そんなことはなく、心弾む…

『デート~恋とはどんなものかしら~』最終話

ダビングしてもいいかも、と思えるドラマを1クール楽しませてもらった。最終話は、桜を見る二人と、目利きの間では比較的評判が悪いチビ巧とチビ依子の出会いの場面に、滋味のある寓話を感じた。 全話通して振り返ると、軽妙だった前半と比べ、最後2話は若干…

『デート~恋とはどんなものかしら~』第9話

小ネタ満載で、ここ数回では一番笑えた。リピートしないととても全部理解しきれない。リピートの余裕はなく、この回の感想だけは最終回の前に書いてしまいたいので、いつも以上にうろ覚えな感想をば……。 結婚式の主役は誰と誰なのか、何度も脳内で予測を修正…

『デート~恋とはどんなものかしら~』第6話~第8話

第6話:演出がお初の洞功二ということもあり、また依子の隠された優しさが一つ浮き彫りになったこともあり、若干エモーショナルな色合いが濃い回であった。古沢キャストというと表面的なテクニックのみが取り沙汰されがちだが、松重豊、長谷川博己とも内面か…

『デート~恋とはどんなものかしら~』第5話

おもしろいんだけど、前回に比べるとちょっと無難だよなぁ……と、おまぬけにもなめたような感想を持ちかけていたところ、終了寸前にまさかのメンバーが割り込みキス! いやー、参りました。転んでもただでは起きない『デート』だ。(転んでないけど) 冒頭は…

『デート~恋とはどんなものかしら~』第4話

変化球の連続に唸り、終わってみるとまるで王道のヒューマンドラマを見たような後味のよさが残った。 時系列をあっちこっちさせる手法は初回からだが、今回は抜群に効果的。各登場人物の行動がどんな心遣いからきているか、どんな会話がきっかけとなったか………

『デート~恋とはどんなものかしら~』第3話

おもしろいのだが、普通の話っぽくなってきた気がする。ヤンキー娘が依子に抗議するところとか、巧の依子への態度とか。巧は前回まで古美門の又従兄みたいだったのが、もっと遠い親戚じゃないかっていうくらい可愛げが出てきた。しかし基本的にはキモくてイ…

『風の峠~銀漢の賦~』第3回『友の死』

中盤の胆である、主人公の親友の死が描かれる回。 武士もかなわぬ覚悟を決めて一揆を起こした十蔵にくらべ、狭い了見で感情的になる源五がやや見苦しい。脚本の問題なのか、演者の力量の問題なのか……。それでも、刑場で娘を思って身もだえする親友の心を鎮め…

『デート~恋とはどんなものかしら~』第2話

*個人的連絡:Yさん、コメ返しは明日以降になります。 第1話で映像的にかなりおかしかったのが、法定速度でスクーターを走らせる迷惑な依子の後ろに車がぞろぞろという場面だった。今回はなし。主役の安全や道路封鎖の手間を考えれば、あんな滑稽な風景を一…

蛍光灯の連ドラ初回感想

『残念な夫。』ぬっくんの呑気なナレーションに乗った『奥さまは魔女』のような軽快な出だしはよかったが、途中から「やっぱり」と萎えてしまった。こういう話は深刻さよりユーモアを前面に出さないと幅広い層に受け入れられないと思う。過去のかたよったド…

『流星ワゴン』第1話

原作が重松清という時点で苦手なウェットムード全開を予感しながらも、西島秀俊&香川照之コンビが今までと違うかけ合いをするかどうかに惹かれてためしに視聴。予想通りBGMが過剰だった。 昨年不発だった『おやじの背中』をやり直したいのか、TBS? 「お前が…

『風の峠~銀漢の賦~』第1回『仇討ち』

めぼしい藤沢周平作品が軒並み映像化されてしまった現在、後釜の第一候補が葉室麟のようである。 源五の顔が過度にアップになったり、のっけから妙に生エロい絡みを見せたり椿の花びらが飛び散ったり、なんだこのなんちゃって唐十郎演出は? 角兵衛の扮装、…

今年の拾いもの

*ハードボイルド百花繚乱とはならず、『ロンググッドバイ』は演出家の好みが暴走した珍品、『MOZU』は後半脚本が迷走して惜しい作品となってしまった。それでも、前者は映像美が記憶に残るし、後者はスタッフ、キャストの思い入れが熱く伝わってくる意欲作…

『信長協奏曲』終わる

まさか大河に挫折して、月9をおもしろがる日が来るとは!細かいところはどうでもフィクションとして芯が通っていれば、視聴者を引き付けられるよい見本だった。イケメンや綺麗なお姉さんがべらべら「戦はあきません」、「結婚は愛する人とするもの」とまく…

神谷の旦那が帰ってくる!! プラスほかの来年の楽しみ

http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/205479.htmlいや~、数か月ぶりの滾るニュースである。どう考えても続編は作れない終わり方だったので、『神谷玄次郎』とはこれでおさらば、5話ですっぱり終わるところが粋で潔い……でも、名残惜しいと思っていた…

『ダークスーツ』第4話までを見て

なんだかものすごく前のめりな演出で、ときどき背中がむずむずする。BGMも過剰ぎみ。4話で、エンディングテーマが流れ始めてからの、謎の女性が松木をひっぱたいて抱きしめられるスローモーションは、まったくいただけない。ああいうのを韓流趣味というのだ…

『ボーダーライン』

民放とは格の違いを見せつけている。つつましいサイズ、端正な字体の「土曜ドラマ」が画面に映るだけで、この安心感。初回はドキュメンタリー・タッチを狙ってカメラを動かしすぎるので、見ていて若干疲れたが、2話目からは落ち着いた作りになった。VFXの進…

今季の連ドラ

『ごめんね青春!』脚本が宮藤官九郎なので、たとえ途中で中だるみしても完走するつもり。この人の作品は、中年の活躍が主体の『うぬぼれ刑事』が一番好きだが、これは『木更津キャッツアイ』寄りの学園ドラマ。やや耳障りな声のヒロインが男子学生に盗撮疑…

『吉原裏同心』第12回

一度は越中山岡藩の剣術指南役の依頼を受けた幹殿が、自分の役目は吉原の女たちを守ることと思い直し、めでたく吉原永住を決める大団円。 帰ってきた神守夫妻に、おそらくは会頭の肝いりで売れっ子花魁たちが大サービスの宴会を開く。駆け落ち夫婦にとっては…

『おやじの背中』雑感

毎回脚本家を変える意欲作が終了した。極私的には、一に第五話『ドブコ』(木皿泉)、二に第八話『駄菓子』(池端俊策)、三、四がなくて五に第十話『北別府さん、どうぞ』(三谷幸喜)。木皿の軽快さが心地よく、池端の男の夢追い物語は、甘さと辛さの塩梅…

『吉原裏同心』第11回

幹殿が、仇討ちされる側を助太刀する話。汀女は武家の妻らしく夫を送り出し、薄墨太夫は止めようとする。これ、原作だとどんな理由づけなのだろう? 前回まで、薄墨太夫は吉原の女としての誇りを持つだけでなく、武家出身の名残もすこしはある人のように見え…

『吉原裏同心』第10回

優しさから出た嘘。嘘から出た実を期待して、相手をする優しさ。幼稚園向き道徳劇とは一線を画す人情劇が心に沁みる。 玉藻に言われた若者たちの仲立ちを、神守夫妻に押しつけてしまう四郎兵衛。近藤正臣のもじもじ芝居が笑えた。 先週、先々週と薄墨太夫成…

『吉原裏同心』第8回

しばらく遊女が中心となる話が続いてきたが、今回は神守夫妻が主役で、さらわれた妻を取り戻したり、頭取の命を守ってちゃんばらしたりと、幹殿が大活躍……したはずなのだが、だんびら振り回す幹殿より手ぬぐい構えただけの頭取のほうが強そうに見えてしまう…

『撃墜』後編とフジのスペシャルドラマ

紫電改のスコープの仕組みを説明してほしかった。 前回予告を見た時の危惧は当たらず、後味が良い。日本の二次大戦ドラマはたいがい偉そうな反戦主義者が出てきて国体批判なぞを始めるものだが、主人公も妻もヘンな豹変によるキャラ崩壊とは無縁で、地道に真…

『おやじの背中』第五話

先週は『バブル』のゴールデンコンビ、鎌田&渡瀬が復活したにもかかわらず、型にはまった夫婦描写、世代描写にものたりなさを感じた。 今回は木皿泉脚本が親子関係の変わる面、変わらない面をさらりと描いて秀逸。第一話はなかよし親子ごっこと疑似夫婦の混…

『撃墜』前編

この内容で一時間半必要だったのか? ドキュメンタリードラマというよりイメージビデオのようだった。せっかく紫電改を扱いながら、性能の説明があっさりしすぎ。NHKお得意の絶叫説教ドラマでないだけましというものか……予告からすると来週はそうなりそうな…

『吉原裏同心』第7回

これほどひんぱんにNHKドラマで花魁の八文字を拝めるとは予想もしなかった。そして、今回は薄墨太夫をメインにした話。 薄墨太夫が「私は恐ろしくなりました」と言ってわざわざ隣の部屋へ歩き出し、走って戻ってきて「だったら、なおさらあのような人にして…

『吉原裏同心』第6回

無実の罪をきせられた遊女を、神守夫妻たちの奮闘で救う話。 いきなり天紅とは艶っぽいというか生々しい。ああいうことをやって一番いやらしくならないのが徳永えりかもしれない。彼女はもちろんよかったけれど、できればほかの時代劇でもっと出番の多い役を…

これからの時代劇など

スカパーでは9月、時代劇専門チャンネルでは10月にオリジナル時代劇『闇の狩人』放送決定!! 堂々3時間の長編で、前後二回に分けるようだ。『鬼平』、『剣客』、『梅安』――池波正太郎の魅力ここに結集! と言われればいやでも期待が高まる。主演は『夜兎の…

『吉原裏同心』第5回

今回は、すんでのところで吉原から引き返すことができた少女のお話。宮武美桜ははじめて見たが、つぶらな瞳が時代劇向き。柳沢慎吾はあまり騒がず、悪気はないけどだらしない父親を好演。吉原の住人や客の掟破りはけっして許さないかわり、ほかに手だてがあ…