2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『受験のシンデレラ』終わる

和田秀樹の原作は未読。生育環境や本人と周囲が"思い込んでいる"学力から将来の選択肢が少なそうだった女子高校生が、受験のカリスマと出会い、東大受験に挑む話。ヒロイン、遠藤真紀の受験のサクセスストーリーであるにとどまらず、本人と周囲の自己発見と…

『真田丸』第33回『動乱』

お歴々の頭脳的心理的な戦いの迫力に満ちた45分間だった。脚本が三谷幸喜で、演出が三谷幸喜でなかったからこそ視覚的な躍動感や緊張感も味わうことができたというもの。 悲しいほど人集めの手練手管にたけていない三成。こんなんで関ケ原の西軍の成り立ちを…

『蝶(ちょう)の山脈~安曇野を愛した男~』

山岳写真家の田淵行男を主人公にしたドキュメンタリーまじりのドラマ。さまざまな高山蝶、安曇平、北アルプスの山々。これら美しい映像を拝めただけで大満足。『新日本風土記』でも使いまわすか? 要らない史観が出てこないだけでも、『風土記』より清涼感の…

リオ五輪

つまみ食い程度の五輪視聴者だが、それでも何度も心浮き立つ18日間だった。*凶悪犯罪はあったようだが、いわゆるテロは(未然に防げたため?)発生しなくてよかった。ブラジルの治安部隊、警察はよく働いたらしい。*男子50km競歩で荒井選手が銅メダル獲得…

『真田丸』第32回『応酬』

巨星墜つ!の次の回だから失速しても文句は言えないところ、そんなこともなく、『応酬』のサブタイトルに恥じない緊張感のある回だった。過去15年、大河は薄味が当たり前になってしまい、知力を尽くした話し合いや恫喝が拝めるのは『風林火山』と『八重の桜…

『真田丸』第31回『終焉』

信繁が接する世間がぐっと広がりそうな予感で終わった上田編最終回とまったく異なる雰囲気の、秀吉編最終回であった。武田勝頼や北条氏政が戦って美しく散ったような印象を与えたのにひきかえ、秀吉の孤独な最期のなんという無残か。小日向文世の練達の演技…

『シン・ゴジラ』(総監督:庵野秀明、監督・特技監督:樋口真嗣)

ネタバレあり。 後方に坐った子ゴジラがときおりガサガサモソモソするたびに集中力が遮断されたが、それ以外ではどっぷり庵野の映画の世界にひたれた二時間であった。この手の作品を見るときはメタにおもしろがるだけで終わりがちなヒネコビタ映画ファンには…

『百合子さんの絵本~陸軍武官・小野寺夫婦の戦争~』

のっけからなんだが、「小野寺夫婦」って……「小野寺夫妻」ではあかんのか? ここ数年、NHKのプロデューサーとしては一番高品質な作品を連発している訓覇圭が制作統括、2008年に傑作『あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機』(TBS)を書いた池端俊策が脚…