2017-01-01から1年間の記事一覧
『真田丸』と二年続けて主人公にあまり魅力を感じず、大河にしては撮影が残念な場面が散見され、音楽も――本来、菅野よう子作品は好きなのだが――好みではなかったし、脚本家の手癖に辟易させられることもあったが、『風林火山』終了後、何度も死んでは息を吹…
歴代大河の首桶登場回数のランキングを知りたくなってきた。昔の大河で首桶といったら、主人公が打ち負かした敵の大将のそれであることが多かった。今年は違う。しかもhot warの戦利品たる首ではない。大国に国を潰されないよう交渉をまとめるために、主人公…
産科婦人科医の宣告を聞いて、家人ともども「え、じゃあ勇介の父親は誰?」と騒いでしまったが、タイトルを素直に信じるべきだったらしい……ツイッター上には自分らほど心の汚れた人がいないようなので反省した。 先週出所する背中がかっこよかった小シャブが…
まー、出てくる男出てくる男クズかボンクラばかりで、クドカンは平成の溝口健二をやりたいのかと勘ぐっていると、うさんくささの塊みたいな護摩刑務所長がいきなりいいこと言ったりするので油断がならない。できれば『うぬぼれ刑事』みたいな突き抜けたバカ…
連ドラ『BORDER』がたいそう面白かったと聞き、そのうちDVDレンタルでもしてみようとぐずぐずしているうちに、SPドラマ放送の日が来てしまった。石川の葛藤への理解などは連ドラ視聴済みの方々に及ばないながら、CMカットで1時間34分、独特の世界に浸ること…
今年の民放視聴は『CRISIS』オンリーになりそうだったところ、クドカンのドラマが始まったので楽しみに見始めた。森下愛子が主要キャスト入りとは、やはり脚本家が局から信任を受けているゆえか。しかるべき理由があって「民放には出ない」と宣言していた伊…
「人は絆がないと生きられない云々」のあたりで「嶋田うれ葉、お前もか」と少々がっくり。が、D本がない! 以降の怒涛の展開には心躍った。妻の行動はまったく予想がつかず、嶋田氏に脱帽である。 未練たらしく東京にもどる磯山。「新婚時代の聖子が忘れられ…
"まだ十五歳"を強調するためとはいえ、虎松の顔芸のしつこさに辟易した。ただ、小才覚のあるこわっぱが大人にぺしゃんこにされる展開には、知的ゲームを見るおもしろさがあった。振り返ってみると『直虎』ワールドは、未成年を不当に活躍させないし、いわゆ…
その1:『名奉行! 遠山の金四郎』(9月25日8:00PM,TBS)昔の大スターが出た『遠山の金さん』にはまったく興味が持てなかったが、今作にはそんなにベタベタじゃなさそうな匂いを感じたので視聴。手堅い出来のエンターテインメントで、演出は石原興かと思った…
今年の大河は評価はできても熱中はできないと感じてきたが、ここ数回はドラマとして引き込まれている。 主人公がみずから手を汚して政次を死なせる場面には度肝を抜かれた。そこまでして井伊を守ったのにあっさり領主の座を下りる直虎や、(真意はともあれ)…
船乗りが長い航海中、妻に本の朗読のテープを送るという話はユニークでいいエピソードだと思った。 キャストだけは魅力的なので、ためしにチェックを始めたが、脱落決定。授業態度がふまじめな大学生とか、中年男相手にむきになる女講師とか、作り手のセンス…
光と影を際立たせる照明(佐野清隆)と撮影(相馬和典)とVFXがすばらしかった。稲本響の音楽も画面作りと競うかのように見事だった。ドビュッシーが「神奈川沖浪裏」からインスピレーションを受けて交響詩〈海〉を書いた話を彷彿させる。海外の映画祭に出品する…
*今週の磯山東京に戻り、ホームレスになる。タカが仲間にしてくれる。ホームレスの先輩にいろいろ教わりながら、発見に満ちた生活を送る。タカの家族に会いに行く。タカさん死す。ホームレス同士で遺品争いが発生。磯山は大事な箱を奪取、現場から脱走する…
これはハッピーエンドが約束されたコメディだ。春奴は碌さんをあきらめて旦那との腐れ縁に落ち着きそうだし、碌さんは鏡子とゴールインだろうし、だったらカオルは夢月とくっつくしかないだろうと予想しつつも、負傷した碌さんが囚われの身となるシーンがこ…
「何やってるんですか、闇金のくせに!」にウケた。 営業職としてはいっこうに芽が出ず、家庭では邪険にされ、家族のためと思って始めた投資は大失敗。行き詰った男が全力で失踪する(たぶん)ロードムービー兼中年男の自己発見の物語が始まった。初回、磯山…
いつにもまして時代劇ならではの"絵"に魅了された。文字通り緑したたる境内で、寺の階(きざはし)に腰かけて語る若い侍と、分をわきまえて立ったまま応対する伝七。夜の室内。仄明るい行燈の明かりに浮かび上がる男たちの顔。 スタッフ(撮影:山本浩太郎、…
『吉原裏同心』で完璧なドラマデビューを飾った野々すみ花がゲスト出演。彼女が演じる女盗賊・白狐のお仙は、ちょっとした女優なら誰もが挑戦したいであろう、『雲霧仁左衛門』の七化けのお千代のような役柄だ。ふた昔前の池上季実子でも見てみたかった。で…
訛ってるけど可愛いお姫様だった!母上も訛らせるためにデンマーク出身のコニー・ニールセンを使ったのか、それともガボットの発音を真似させた? アメコミにはまったく不案内だが、あまりにも目利きの方々が推奨するので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラク…
今回も愉快で盛りだくさんだった! 公式HPにユースケ・サンタマリアのインタビューが掲載されていた。「男が女性に求める要素は母性、ミステリアス、色気と3つあると思うんですけど、それぞれがその役割を担っている」この言葉さえ引用すれば、以下は蛇足で…
前半愚痴注意。お盆の番組というのはもともと日本人から思考力を奪うための企画であったが、今年は"今そこにある危機"が増しているにもかかわらずそれをやり続けている点が罪深い。しかも資金源は受信料。NHKにはいったん始めるとやめられない習性があってWG…
『4号警備』もよかったが、この調子なら『悦ちゃん』が今年のNHKドラマ、マイベストになりそうな勢いだ。第2回でお嬢様との縁談は破談決定かと予想したら、意外と引っ張っている。 見合いののち、碌さんは心機一転名作をものするかと思いきやあいかわらず評…
平成版『生きる』としてしばらく記憶に残りそうなエピソードだった。「死ぬな、死んじゃだめだ!」どの人間関係でも一歩踏み込むことができなかった秀亮が、たえ子を救おうとざぶざぶ海に入っていく。手持ちカメラが作る揺れる画面にも役者二人の演技にも、…
ネタバレあり。 8/11、29、9/30再放送あり。渋谷ユーロスペースで上映中。 ドキュメンタリータッチの時代劇。19世紀初め、蘭学者の一派が日本地図をオランダ人に渡すため、若き蘭学者、道庵を密使として江戸から出発させる。彼を追って山狩りする番人たち。…
第5話『嫌われ者のブランケット・キャット』今のところ、第5話が一番意外性があって、プロットそのものにも魅せられた。老人の理不尽に見える用心深さの背景には、息子一家を喪う悲劇があった。卓也は浅はかだが純粋で、人の気持ちの核心がよくわかる。そん…
"国衆はつらいよ!"と"武士だけでなく坊さんや商人も含めた戦国の風俗"の描写に力を入れている今年の大河。ちょっと受け狙いな感じの"政次カワイソス"パートにはあまり乗れず。うじうじしたしの相手に暴走気味の父性を示した回以外は、主人公にもこれといって…
明るく楽しい連続ドラマが始まった。"時代劇"ならぬ"時代ドラマ"枠だそうな。『みをつくし料理帖』は総合点の高い時代劇だったが、小野寺のぎすぎすした物言いが、やっぱりいかにも藤本調で大好物とはいかなかった。今回は、昭和初期の風俗を楽しめればじゅ…
健康、記憶、仕事、持ち家など今まで持っていたものを失った人々が苦しんでいた1話2話。長らく持ちたかったもの――ものというか、子どもだが――をあきらめて、次に進もうとするのが第3話。世間的には前2話のほうが深刻と受け取られるのだろうが、石田夫妻の痛…
岩合さんの『ネコ歩き』の向こうを張って、猫好きホイホイ企画がスタートした。 二匹一役はなさそうだ、二匹一役なのか三匹一役なのか? 初回、巧い具合に猫が椎名秀亮の肩に載ったが、あれは演技指導のたまものなのか、まさかトレーナーがぶん投げたのか? …
むっちゃおもろかった!末廣健一郎の威勢のよいBGMが耳に残る。 黒川博行の原作(『破門』、『疫病神』)は未読。2015年にBSスカパー!で連続放送されたのは知っていた。J:COMのおかげで2年後に拝めることができてありがたいことである。ヤの字のお仕事の人が…
6月17日放送分ネタバレあり ハイジャックされた旅客機を独断で撃墜し、164人を殺して7万人を救った空軍少佐。果たして彼は英雄か? 犯罪者か? 電話による視聴者投票の判決は!? 十か国で同じ設定の舞台劇を上演し、観客の投票を募ったところ、九か国は圧倒的…