2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『おんな城主直虎』第33回『嫌われ政次の一生』~第38回『井伊を共に去りぬ』

今年の大河は評価はできても熱中はできないと感じてきたが、ここ数回はドラマとして引き込まれている。 主人公がみずから手を汚して政次を死なせる場面には度肝を抜かれた。そこまでして井伊を守ったのにあっさり領主の座を下りる直虎や、(真意はともあれ)…

『この声をきみに』第2回

船乗りが長い航海中、妻に本の朗読のテープを送るという話はユニークでいいエピソードだと思った。 キャストだけは魅力的なので、ためしにチェックを始めたが、脱落決定。授業態度がふまじめな大学生とか、中年男相手にむきになる女講師とか、作り手のセンス…

『眩~北斎の娘~』

光と影を際立たせる照明(佐野清隆)と撮影(相馬和典)とVFXがすばらしかった。稲本響の音楽も画面作りと競うかのように見事だった。ドビュッシーが「神奈川沖浪裏」からインスピレーションを受けて交響詩〈海〉を書いた話を彷彿させる。海外の映画祭に出品する…

『全力失踪』第3回

*今週の磯山東京に戻り、ホームレスになる。タカが仲間にしてくれる。ホームレスの先輩にいろいろ教わりながら、発見に満ちた生活を送る。タカの家族に会いに行く。タカさん死す。ホームレス同士で遺品争いが発生。磯山は大事な箱を奪取、現場から脱走する…

『悦ちゃん』最終回

これはハッピーエンドが約束されたコメディだ。春奴は碌さんをあきらめて旦那との腐れ縁に落ち着きそうだし、碌さんは鏡子とゴールインだろうし、だったらカオルは夢月とくっつくしかないだろうと予想しつつも、負傷した碌さんが囚われの身となるシーンがこ…

『全力失踪』第1回~第2回

「何やってるんですか、闇金のくせに!」にウケた。 営業職としてはいっこうに芽が出ず、家庭では邪険にされ、家族のためと思って始めた投資は大失敗。行き詰った男が全力で失踪する(たぶん)ロードムービー兼中年男の自己発見の物語が始まった。初回、磯山…

『伝七捕物帳2』第5回「鬼か仏か、屋台騒がす手拭い侍」

いつにもまして時代劇ならではの"絵"に魅了された。文字通り緑したたる境内で、寺の階(きざはし)に腰かけて語る若い侍と、分をわきまえて立ったまま応対する伝七。夜の室内。仄明るい行燈の明かりに浮かび上がる男たちの顔。 スタッフ(撮影:山本浩太郎、…