2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『64(ロクヨン)』第2回『声』

記者を前にしても、警務部にいても、刑事部に行っても、民間人のところへ行っても、家に帰っても、疎外感と板挟みのストレスをため込んでいく三上。第1回は視聴者が雨宮の地獄を追体験させられるような作りだったが、今回は主人公の四面楚歌&24時間サンドバ…

どっちが大河?

『花燃ゆ』第17回『松陰、最期の言葉』録画視聴。実質上の上三半期の主人公が退場したというのに、この感慨のなさはなんぞ? 主人公(仮)の文は、兄の論理を理解できなかったのはしかたないにせよ、情においても濃いつながりがあったようにも見えないのが困っ…

『神谷玄次郎捕物控2』第四回『密告』

前二回とはまたちがった方向のどんよりエピソードだった。いつもと毛色がちがうと思ったら、脚本が中村勝行、演出が酒井信行。玄次郎が脳内で謎解きする時間が長く、江戸ものらしい風俗描写に費やす時間が短かったが、たまにならこういう趣向もいい。ただし…

『千年の愉楽』(監督:若松孝二)

TVでノーカット放送を視聴。R15+相当扱いだが、扇情的な描写は避けられている。 紀州が生んだ鬼才・中上健次の代表作『千年の愉楽』を、若松孝二が映画化。舞台となったのは、眼下に美しい尾鷲湾を見下ろし、背後には紀州の深い緑が連なり、斜面に建つ趣ある…

『リキッド~鬼の酒 奇跡の蔵~』(2)『理想の酒』

大赤字を抱えた老舗酒蔵の一人息子が、蔵を存続させるために一念発起!すがりついたのは、「鬼」と恐れられた伝説の老杜氏だった。さまざまな思いが交錯するなか、追い求めた究極の一滴「リキッド」が流れ出るとき、起死回生の逆転はなるのか?(公式HP) ド…

『花燃ゆ』第16回『最後の食卓』

聞いていて納得できた台詞は、「見苦しく動き回るな」と「お前の叫びごときで意見が揺らぐ兄ではない」の二つくらい。どちらも中高年男性が文をたしなめるものだ。内野謙太の町人髷は似合いすぎである。すこししか映らない幼児も含めて、子役選びに優れてい…

『64(ロクヨン)』第1回『窓』

原作未読。原作(横山秀夫)、脚本(大森寿美男)、演出(井上剛)が傑作NHK土曜ドラマ『クライマーズ・ハイ』と同じ時点で傑作を期待していた。脚本家は昨年、極私的現代ドラマNo.1の『55歳からのハローライフ』も書いている。音楽はかっこいいけど『ロング…

『神谷玄次郎捕物控2』第三回『消えた女』

前回は"静"だったから、今回は"動"と予測したが、贅沢にさらっと演出した流れ星追っかけシーンとか材木置き場の大立ち回りとか、たしかにダイナミックな場面もあれど、ひと言で静とか動とか分類できない作りだった。窃盗事件につきまとう不穏な空気、お津世…

『花燃ゆ』第15回『塾を守れ!』

冒頭20秒はまるで大河ドラマのように緊迫感があった。なぜ日米修好通商条約に尽力した岩瀬忠震を出さないのだろう? この人と井伊大老の決裂を描くだけで大きなダイナミズムが生まれるだろうに……大河とBSの歴史番組の質にここまで開きがあるのはちょっと歪だ…

『かぶき者 慶次』第一話『石田三成の子』と『神谷玄次郎捕物控2』第二回『昔の仲間』

せっかくの藤竜也主演なのに、制作、原案、脚本が恐怖の『天地人』トリオとな。一話で挫折を覚悟して録画視聴した。渡辺俊幸のOPがまるで若干骨太な大河のようで、地面すれすれまでハードルを下げておくこともなかったかな、と思わされ、またナレーションが…

『花燃ゆ』第14回『さらば青春』

とりあえず、桂役の東山氏が座る動作だけでも時代劇のムードを出していたので、まるまる45分無駄にした気にはならなかった。中の人が苦手なこともあいまって、いつもプルプルしている小田村を消去したくてたまらない。松陰たちをなだめるのが、もっと上の役…

『神谷玄次郎捕物控2』第一回『出合茶屋』

昨夜は、あまたの欲求不満の時代劇ファンにとって、ちょいとした祭りであった。 惜しまれながら完璧な幕切れを迎えた『神谷玄次郎』なので、はんぱな出来では「こんなことなら続編なしのほうがよかった」などと言われかねない……が、そんなことはなく、心弾む…