新春ドラマ

『幕末相棒伝』

なんで微妙にカメラを揺らすのか? 野外をわざと白茶けたような色調で写すのか? 退屈しないストーリー展開だけど主人公がうるさい……くらいの感想しかなかったが、最後に堀切園健太郎Dと知って納得。あの演出家にしてはドラマ部分でさほど惹かれず。

『必殺仕事人』

年に一度のお楽しみ。わざわざゲイネタを出すのはマスメディアが流行らせたくてしょうがないSDGsに乗っかるため? 教会と政府が厳しく同性愛者を弾圧していた一神教文化圏と違い、日本では陰間茶屋なんてのもあったほどなのだが……。前半で大きな事件がかたづいてしまい、いったい後半どうするのか? といぶかしんでいたら、今のSNS炎上を思わせるストーリー展開だった。腐敗した権力者なんかより、たいした悪意もなく暴走する「庶民」のほうがよほど怖い。仕事人が成敗しても後味悪そうな。それでも最後の最後はお正月ドラマらしく締めくくっていた。

 

民放の連ドラを2本視聴、というか録画して試聴。

『ミステリと言う勿れ』

ポリコレアフロがうざいので心置きなくリタイアできた。いまどき欧米の男が甘いと信じてるのはかなりの情弱ではないかと思われるが、そういう人々をターゲットとする番組なのだろうか。あちゃらの金持ち白人男は、女房の容姿が劣化したらかんたんに捨てるゾ。しかも働かない妻のわがままにはオーベー男子より日本男子(正確には日本人サラリーマン)のほうがはるかに寛大である。

エンケンたちが中南米の警官みたいにゆるく働くようになったら、まっさきに被害を受けるのはそれこそ弱者なのだが、アフロ君には目先の正義のほうが大切なのだろうな。

池本の「こいつめんどくさいな」と「久野、お前もいつかおじさんになる」という二つの台詞だけ気に入った。

『DCU』

アクションドラマとして少しだけ期待した。水中アクションはがんばっている方だろうが、日9のノリが肌に合わず脱落。BGMも台詞も全部説明してくれるので、スマホをいじりながら流し見するにはお手頃なドラマである。『ドラゴン桜』のこじつけ陰謀論に比べればまだ無理がないとはいえ、巨悪の描き方があいかわらず。昔々、水力発電がベース電源として最重要だったころは、エンタメのみならず学校の教科書までダム悪玉論を唱えていてうんざりしたものだが、今またやるとは! 本当に荒くれ物の鯨捕りにしか見えないキャストをそろえた『北氷洋』(BBC)と比べちゃいけないが、アメリカのネイビーシールズと一緒に訓練したなんて設定は……ロサンゼルスとモントリオールの試写会参加者は苦笑したかしらん。ハリウッドでも活躍する海外プロダクションが、TBS側からどんなプレゼンを受けたのか想像がつかない。岡崎体育というとオタクみたいな役しかやらないイメージだったので、潜水夫として出てきてびっくり。高橋光臣が時代劇以外で大きな役を貰えたのはよかった。視聴打ち切りだが西野の健闘を祈る。