『デート~恋とはどんなものかしら~』第5話
おもしろいんだけど、前回に比べるとちょっと無難だよなぁ……と、おまぬけにもなめたような感想を持ちかけていたところ、終了寸前にまさかのメンバーが割り込みキス! いやー、参りました。転んでもただでは起きない『デート』だ。(転んでないけど)
冒頭は、あの寺島進が出てきて「愛こそすべてだー!」と騒いでいるのにたまげた。
「(カウントダウンのキスなんて)体のいいい公然わいせつだろ」。いいですね、この古沢節!
子供たちがいる前で「やる」、「やらない」という会話を繰り広げる大人たちがばかすぎる。べらべらしゃべりはじめる巧の口調がなんだか変だ。『男はつらいよ』の寅さんのマネでもしてるのか?
「ビール一杯でいいから」という上司の言葉を完全に文字通りに受け取る依子。こういうネタをどうやって思いつくのか? いつか、ドラマ制作ノートみたいなものを後悔してくれると嬉しい。
宿舎に帰ると……幽霊お母さんは誰に年賀状を書いているのだろう。仮に依子が描く母親像が正しいとすると、なぜあんな奔放でもてそうな女性が、おとなしいお父さんを捕獲したのか疑問だ。
自分のスタイルのよさを客観的に語る依子。もろに杏に言わせるところが大胆だ。
一気にことを進める計画を立て、それを巧みに告げる依子。慌てふためく巧。あの手合いは古い春画とか持っていそうなのに、持っていなかった。
慣らし教育のために豆腐屋のおかみさんを紹介する宗太郎。「豆腐屋のおじさんが知ったら」という理由で断る巧。
デート当日、まさに蛇に睨まれた蛙のような巧が哀れを誘う。
ガテン兄妹の仲がいいのはけっこうなことだが、宗太郎の嫁さんが出てこないのが気になる。
「A、B、C、そういうものなんですよ」。一人二役で脳内母と会話する場面から、巧を追い詰める場面まで、若干ホラーの趣が感じられる。依子は性欲が何かわかっているのか? 宿舎内のカップルのやり取りは、男女が逆だったら、現在では放送できないアウト要件である。1日でサクサク進めようとする依子に対して、「ぼくは人間ドックに来てるんじゃないんだよー」。「公然わいせつ」とこの台詞がもっとも印象に残る。気の毒な鷲尾がクローゼットから飛び出し、巧を殴り、正論を吐いて部屋を飛び出していく。その後、巧から「人の気持ちがわからない」という罵倒をくらって落ち込む依子。異色の修羅場を見せてもらった。
まんざらでもない顔つきで「なんだか恥ずかしいな、35にもなってお母さんにサイボーグ009の衣装作ってもらうなんて」と言う巧に、それ以前にいろいろ恥ずかしいだろ!と思ったら、生みの母がグサグサくる言葉で答えていた。「そんなのどうってことないわよ、息子が35にもなってニートの引きこもりでおまけにDTだってことのほうがよっぽど恥ずかしいわよ〜」。視聴者は笑うしかない。
カウントダウン会場。国仲涼子のキャットウーマンの扮装が似合っている! こんなに彼女が魅力的なドラマは初めて見た。スクーターで交際相手のもとへ急ぐ女! たぶん、過去の月9では、男がバイクかなんかで女のもとへ急ぐ場面で盛り上がったのだろう。奇をてらうと見せかけて、王道のラブストーリーを作っている。
「無事にキスできたか?」と訊く宗太郎のメッセージは、巧宛かと思いきや鷲尾宛であった。ひねりのきいた結末で、否が応でも次回への期待が高まる。巧と依子だけの話だと10話もたないから、鷲尾と佳織も絡んだ四角関係に持っていくわけか。宗太郎の夫婦事情、依子の母の実像、巧の母の健康状態、あと、一度も触れられないが巧の母が夫と離別したのか死別したのかも気になるところだ。(第1話の脚本をネット上で見た。死別の台詞があった。耄碌はしたくないものだ:2月21日追記)