内館牧子というと、自分はお呼びでない人というイメージだったが……大河『毛利元就』と時代劇『白虎隊』(2007年)は視聴済みであった。高齢の名女優、三田佳子が主演なので、まあ生きているうちに拝んでおくかと思い録画開始。 日本のホームドラマにありがちな…
土曜深夜『ブレイキング・バッド』(AXN HD 海外ドラマ) うだつの上がらない化学教師が自分の余命が短いと知り、家族のために麻薬製造でひと山あてようともくろむが……。疾走するトレーラーハウスと宙を舞うズボン――シュールな冒頭からぐいぐい惹きつけられ…
https://quillette.com/2020/06/02/a-rainy-day-in-new-york-a-review/ 以下は、自由思想を旨とする”Quillette”の記事の部分的な紹介。全訳ではない。[]内は私見。 ローナン・ファローは新進気鋭のジャーナリスト。ハーヴェイ・ワインスタインを糾弾する記事…
https://www.theguardian.com/film/2020/may/29/do-i-really-care-woody-allen-comes-out-fighting 以下は、”The Guradian”の記事の部分的な紹介。全訳ではない。[]内は私見。 二十歳のウディ・アレンは、作家ダニー・サイモンからコメディについてのルール…
ネタバレあり。 ギャツビーとアシュレーは、ニューヨーク州北部のこじんまりした大学に通うカップル。大学新聞の記者でもあるアシュレーは、映画監督ポラードに取材するためマンハッタンまで遠出する。ギャツビーは恋人に街を案内してやりたくて同行し、(親…
『黒書院の六兵衛』ほどおもしろくはないのでちょいちょい1.3倍速で早送りしながらだが、録画をチェック。 『誘拐』(監督:小林義則)五十嵐貴久の原作は未読。韓国大統領来日を控えた夏。歴史的な日韓友好条約締結を前に、警察が全勢力を挙げて大統領警護…
原作漫画好きの家人につきあってワンクール視聴することになり……疲労がたまる予感。当方は原作未読である。 石原さとみ主演の『校閲ガール 河野悦子』は校正と編集の仕事を混同した作りがひっかかったが、今作は薬剤師の仕事とナンカをごっちゃにするのかし…
期待半分で見たドラマ二つ、どちらもおもしろかった。偶然、二作とも主役が吉川晃司。 2018年、WOWOWで放映した『黒書院の六兵衛』をシネフィルWOWOWで6話、一挙再放送。名手、浅田次郎の原作は未読。江戸城明け渡しが決まり、将軍が城を出ていく。五書院番…
東村アキコの原作は未読。あまりに小池栄子の評判がいいので、第3話から録画視聴。第2話はネットで再生できたが、初回を見ていないので勘所は抑え損なっていると感じる。 素人探偵の明智五郎が、弁当屋を営む小林苺――明智は執拗に「小林一号」呼ばわり――を助…
松本清張の原作は未読。ほかの映像化作品も未見。 さすがNHKと感じたのは夜間シーンの照明で、バーの場面など『あてなよる』のスタッフが担当? と思うくらいムードたっぷり。絵作りも音楽も谷原章介と浅香航大の声も落ち着いていて、ストーリーも「最後は誰…
たいていの大河では4~6月あたりに主人公の父親的存在が退場、代替わりが行われる。今回はそれに当たる一つの山場である。作り手が力を注いだのは道三の死の見せ方だったろうし、視聴者側も多くはそこが目玉と感じたようだ。 自分は明智家の代替わりの場面と…
2019年に放映されたインタビューの未放送部分も足して再放送したもの。 『ジャック・アタリ大いに語る』フランスの経済学者、思想家、作家。いかにもNHKが選びそうなグローバリストという印象。「日本は中国の工場とは切っても切れない」だの「もっと中国人…
「暗い、見にくい」と苦情が来ないように画面を明るくし「むずかしい」と言われないように諱呼びを多用し難解な用語は避け「男偏重」と煽られないように女性の出番をふやす……という工夫を強いられていると想像するので、本来の好みではないと文句は言いたく…
首がゴロン、腕がゴロン。このご時世によくがんばって『柳生一族』のリメイクをした。その意気やよし! 横溝正史シリーズと同じチャレンジ精神を感じる。肉親だろうと仲間だろうと、目的のためなら手段を択ばずコロコロしていく人々。久しぶりにテレビ画面か…
闇夜に浮かぶ赤い提灯。 川面に映る赤い提灯。ヒロインの赤いドレス。赤い金魚。赤が映える、陰影に富んだ映像美を堪能した。終盤の水中撮影にドキドキ。青山氏はタルコフスキーのファン? 荻原浩の原作は未読。お仕事ドラマの傑作『ボーダーライン』で名前…
小粋で軽快で楽しかった。とくに、トランクルームでの鈴木慶一のBGMを使った演出が一番印象的。新田真三Dは初見……ではなく、緊張感があって好みの『七つの会議』やいまいちノレなかった『トクサツガガガ』を担当した人だったのか。今回はコメディセンス抜群…
本放送は1983年4月~1984年3月。1981年の流行語が「クリスタル族」、1984年の流行語が「マル金」。日本中がなんとなく浮かれていた時代に放送されたドラマである。明るい時代だからこそ、ああいうしんどいドラマがヒットしたのだ、という説は当たっているの…
『重版出来!』以来、実に4年ぶりにほんとうに見てよかったと思える民放の現代ドラマが2本登場した。 『左手一本のシュート』原作はノンフィクション『左手一本のシュート~夢あればこそ! 脳出血、右半身麻痺からの復活』(島沢優子 著)。原作未読だが、吉田…
地上波:『剣客商売』スペシャル『婚礼の夜』久々に三冬と大治郎のキャスティングに納得したので、録画視聴。『鬼平犯科帳』で楽しませてくれた山下智彦D。今回も安心安定の演出で、まだまだ続けていただきたいと思った。『麒麟がくる』の撮影もこのドラマく…
イヤミスは読む気がしないのだが、黒沢清のような名手がドラマ化することが多く、映像化作品のほうは興味が捨てられない。和製のダークなドラマに限ってはラッキーなひと月強だった。あまり期待しないほうがよさそう、という低~いハードル設定だったので、…
『おしん』 目利きの友人の強い勧めにより、再放送を視聴続行中。総集編はすでに視聴済み。初回からずっと構成がしっかりしていて、毎日鬼のように大量の台詞が流れてきて、それが各人の個性とぴったり合っていることに脱帽である。『あまちゃん』や『てるて…
『教場』警察学校が舞台という一点にのみ興味をもって録画視聴。厳しい指導が忌避される昨今、このようなドラマが作られ、かつ広く受け入れられるとはちと意外である。主役が恐れていたほどグネグネしていなくてよかった。片目を失ったという設定でコンタク…
『いだてん』は、近現代スポーツ史を描いた傑作大河であった。志ん生が語る"腹っぺらしのマラソン馬鹿と泳げないけど水泳大好きまーちゃん"だけの物語と見せて、彼らをめぐる人々、そして志ん生の半生も志ん生の芸に魅せられた父子の人生も語る、名人芸のオ…
『時間よ止まれ』終了後、マジで拍手してしまった。スタッフ、キャストの皆さん1年間ありがとう! 最終話の雑感*老けメーク技術の進歩にしみじみした。イギリス映画の『炎のランナー』は冒頭、いきなり顔にゴムくっつけたみたいな老けメークが映って、「こ…
『いだてん』最終回直前インタビュー #中村勘九郎*一つのシーンであれだけ走らされるとは思わなかった。以前は、走るのはもちろん歩くのも嫌いで革靴やブーツしか履かなかったけど、大河の撮影が始まってからはスニーカーを履くようになった。今じゃランニ…
3話かけて大人の政治ドラマを描き、まーちゃんは陽気な寝業師に負け、寝業師はあっさりオリンピック担当大臣をやめ……前回は、まーちゃんをお友だちが訪問する場面で終わった。重い政治ドラマっぽい流れを、懐かしいような青春ドラマのノリで締めてくれた。 …
[12月11日追記] 12月13日(金)18:10~ NHK熊本『クマロク!』 宮藤官九郎&中村勘九郎に訊く「いだてん」最終回 (おそらくトークショーの直後撮影されたもの) [追記終わり] 会場:熊本城ホール シビックホール日時:11月30日(土)1時半~2時半トークゲスト…
金栗四三と家族友人の素朴な人間関係から始まった『いだてん』が、ここ三話くらいはスポーツドラマとして以上に政治ドラマとしてわくわくさせてくれる。 主人公が転落する回だからこそ笑いを大切にしたとはスタッフの弁。その意気やよし! インドネシアでの…
松岡茉優と西島秀俊が出ているならちょっと見てみるか……と録画してみた。わざわざ見なくてもよかったというのが正直なところ。 音楽が映画『海賊とよばれた男』に似てるなあと思ったら、やはり佐藤直紀だった。格調やスケール感がただよっていて、『経世済民…
シリーズ1から13年もたったので、スタッフとりわけ脚本家の腕がなまっているのではないかと危惧したが、全然失速の気配はなく、毎週楽しませてもらっている。タイトルのフォントや音楽のアレンジがちょっと変わっただけで、以前のテイストは大切にされている…