日曜夜のBSPドラマ
先月終了した『すぐ死ぬんだから』
夫の死後、隠し子がばれたり、ヒロインに思いを寄せてきたみたいなポーズを取る男が実は結婚していたとわかったり……。
いくらでもベタベタドロドロしたムードになりかねないところ、ハードボイルド・タッチが得意な松岡錠司の演出+安川午朗の音楽のおかげで湿度の低いドラマになっていて、わりとおもしろかった。ホームドラマにはめずらしく(?)どの妻や母親も全然自己犠牲タイプでないのも愉快。
二回目まで進んだ『一億円のさようなら』
原作(白石一文)は未読。
HPの宣伝文句は
つつましく平凡に暮らしてきた鉄平は、妻・夏代が48億円の遺産を相続していたことを知る。なぜ妻はそれを隠していたのか。会社での戦いに傷つく鉄平は人生の後半戦に逆転できるか。極上のファミリーストーリー!
脚本監修は独特のヒューマニズム臭が苦手で敬遠している岡田惠和。脚本担当の渡邉真子は初耳の気がしていた。が、このコンビの作品としては『モンローが死んだ日』を見ていたのだった。
老婆から小学生まで、出てくる女がことごとくわざとらしく感じられ、視聴継続するか否か迷う。謎解き的な点に絞って見ていけば最終回までもつかもしれないが。次回、木内と夏代がどんな会話をかわすのかには興味がある。鉄平ばかりかわいそうな目に遭ってほしくないものだ。
遠い昔、白石作品で唯一読んだのが『一瞬の光』。それにくらべると、時代の変化に従ったのか、たんに本人の心境の変化なのか、本作では女性のキャリアへのまなざしが随分肯定的になったようだ。女性視聴者側では、「どんなにお金があっても働きつづけたい」という台詞に痺れる人の割合は昔より低そうではある。
NHKのドラマは、無理やり三ヶ月放送の編成にせず、内容に合った回数で放送するのがありがたい。