連続ドラマ

『コンフィデンスマンJP』第9話~第10話

大阪北部地震において被災された方々にお見舞い申し上げます。震度7の揺れから3時間以内に電気を復旧させる電力会社の皆さんには、尊敬の念しかない。粛々とインフラを復旧させる人々をまたもマスコミが邪魔しているようだが、こういうのを規制する法律でも…

『鳴門秘帖』第7回『絶体絶命の船出』

春田純一がしっかり腰の入った太刀捌きを見せてくれた。さすがはJAC仕込みである。あっという間に終わってしまったが、これまでの7話で一番見ごたえのあるチャンバラだった。 前回の予告では「隠れ場所がばれてしまうのか?!」とハラハラさせられたが、お米陣…

『BORDER』再放送スタート

6月1日夜9時から毎週金曜日、テレ朝チャンネル1にて。 評判を耳にして、ぜひ見たいと思っていたミステリ・ドラマ。昨年10月放送の単発『BORDER 贖罪』には惹きつけられた。本放送が4年も前だとは知らなかった。 銃弾が脳内に残ったために死者と会話を交わせ…

『コンフィデンスマンJP』第7話~第8話

今のところは、第7話が一番後味がよかったストーリー。ボクちゃんは心置きなく与論要造を看取ることができたし、(欲しくないとか言ってたけど)金銭を手に入れたのだから、彼が一番の勝者だと感じた……が、目利きのみなさんの「家族ごっこができたし、一番大…

『鳴門秘帖』第6回『十年ぶりの再会』

脚本家の尾西兼一によれば、「NHK始まって以来(?)のエロティシズムとバイオレンスを加味したごった煮時代劇となった筈です」とのこと。『神谷玄次郎捕物控 』は? と言いたくなるが、たしかに『鳴門』のほうがちょいと濃い目かもしれない。ハエ取りリ…

『コンフィデンスマンJP』第4話~第6話

終わってみれば3話とも、ダー子たちが騙すつもりだった相手や通りすがりの人が幸せになっていた。 第5話が一番面白かった。なかでも、他局の『プロフェッショナル』のパロディ部分。レギュラー陣の芝居よりスタッフの演出力が前面に出るパートのほうがピリッ…

『コンフィデンスマンJP』第3話

古沢良太のドラマにしてはワクワクしないのはあいかわらずだが、回を追っておもしろさは増していると感じる。もはやどこからが"ボクちゃんにかけた罠"なのか見極めるのが視聴者のお仕事になっている。絵に感動したからって、あそこまで巨乳美大生に接近する…

『コンフィデンスマンJP』第2話

前回に比べると、編集のテンポが向上したおかげか、滑ってる時の三谷コメディみたいな瞬間が減ってわりと見やすかった。 「日本は昔からギャンブル大国」ふふふ、これでパチンコdisもやってくれれば喝采を送るが、それは局側が許さないのかしらん。日本的お…

『コンフィデンスマンJP』第1話

期待8割、不安2割くらいで待機していたところ……『リーガルハイ』(2013年放送の、いわゆるパート2)放送時のように、脚本家の冒険が好みに合わないという面はなかったが、演出のテンポか何かが微妙に肌に合わず、録画したもののまったくリピートしたい気持ちが…

ここ2年の連続ドラマ

*国内ドラマ~リアルタイム視聴2クールに1本か2本見る習慣はあいかわらず。『重版出来!』:圧倒的に印象に残る。一流クリエイターへの敬意、クリエイターを目指すも挫折する者への冷徹だが愛情あるまなざしに心を打たれた。『監獄のお姫さま』:クドカンだ…

『監獄のお姫さま』第6話「奇跡」

産科婦人科医の宣告を聞いて、家人ともども「え、じゃあ勇介の父親は誰?」と騒いでしまったが、タイトルを素直に信じるべきだったらしい……ツイッター上には自分らほど心の汚れた人がいないようなので反省した。 先週出所する背中がかっこよかった小シャブが…

『監獄のお姫さま』第5話「母性」

まー、出てくる男出てくる男クズかボンクラばかりで、クドカンは平成の溝口健二をやりたいのかと勘ぐっていると、うさんくささの塊みたいな護摩刑務所長がいきなりいいこと言ったりするので油断がならない。できれば『うぬぼれ刑事』みたいな突き抜けたバカ…

『監獄のお姫さま』第2話

今年の民放視聴は『CRISIS』オンリーになりそうだったところ、クドカンのドラマが始まったので楽しみに見始めた。森下愛子が主要キャスト入りとは、やはり脚本家が局から信任を受けているゆえか。しかるべき理由があって「民放には出ない」と宣言していた伊…

『全力失踪』最終回

「人は絆がないと生きられない云々」のあたりで「嶋田うれ葉、お前もか」と少々がっくり。が、D本がない! 以降の怒涛の展開には心躍った。妻の行動はまったく予想がつかず、嶋田氏に脱帽である。 未練たらしく東京にもどる磯山。「新婚時代の聖子が忘れられ…

秋の時代劇

その1:『名奉行! 遠山の金四郎』(9月25日8:00PM,TBS)昔の大スターが出た『遠山の金さん』にはまったく興味が持てなかったが、今作にはそんなにベタベタじゃなさそうな匂いを感じたので視聴。手堅い出来のエンターテインメントで、演出は石原興かと思った…

『この声をきみに』第2回

船乗りが長い航海中、妻に本の朗読のテープを送るという話はユニークでいいエピソードだと思った。 キャストだけは魅力的なので、ためしにチェックを始めたが、脱落決定。授業態度がふまじめな大学生とか、中年男相手にむきになる女講師とか、作り手のセンス…

『全力失踪』第3回

*今週の磯山東京に戻り、ホームレスになる。タカが仲間にしてくれる。ホームレスの先輩にいろいろ教わりながら、発見に満ちた生活を送る。タカの家族に会いに行く。タカさん死す。ホームレス同士で遺品争いが発生。磯山は大事な箱を奪取、現場から脱走する…

『悦ちゃん』最終回

これはハッピーエンドが約束されたコメディだ。春奴は碌さんをあきらめて旦那との腐れ縁に落ち着きそうだし、碌さんは鏡子とゴールインだろうし、だったらカオルは夢月とくっつくしかないだろうと予想しつつも、負傷した碌さんが囚われの身となるシーンがこ…

『全力失踪』第1回~第2回

「何やってるんですか、闇金のくせに!」にウケた。 営業職としてはいっこうに芽が出ず、家庭では邪険にされ、家族のためと思って始めた投資は大失敗。行き詰った男が全力で失踪する(たぶん)ロードムービー兼中年男の自己発見の物語が始まった。初回、磯山…

『伝七捕物帳2』第5回「鬼か仏か、屋台騒がす手拭い侍」

いつにもまして時代劇ならではの"絵"に魅了された。文字通り緑したたる境内で、寺の階(きざはし)に腰かけて語る若い侍と、分をわきまえて立ったまま応対する伝七。夜の室内。仄明るい行燈の明かりに浮かび上がる男たちの顔。 スタッフ(撮影:山本浩太郎、…

『伝七捕物帳2』第4回「伝七、狐に化かされる」

『吉原裏同心』で完璧なドラマデビューを飾った野々すみ花がゲスト出演。彼女が演じる女盗賊・白狐のお仙は、ちょっとした女優なら誰もが挑戦したいであろう、『雲霧仁左衛門』の七化けのお千代のような役柄だ。ふた昔前の池上季実子でも見てみたかった。で…

『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』第5回「専属作詞家・碌太郎」

今回も愉快で盛りだくさんだった! 公式HPにユースケ・サンタマリアのインタビューが掲載されていた。「男が女性に求める要素は母性、ミステリアス、色気と3つあると思うんですけど、それぞれがその役割を担っている」この言葉さえ引用すれば、以下は蛇足で…

『悦ちゃん』第2回~第4回

『4号警備』もよかったが、この調子なら『悦ちゃん』が今年のNHKドラマ、マイベストになりそうな勢いだ。第2回でお嬢様との縁談は破談決定かと予想したら、意外と引っ張っている。 見合いののち、碌さんは心機一転名作をものするかと思いきやあいかわらず評…

『ブランケット・キャッツ』最終話『さよならのブランケット・キャット』

平成版『生きる』としてしばらく記憶に残りそうなエピソードだった。「死ぬな、死んじゃだめだ!」どの人間関係でも一歩踏み込むことができなかった秀亮が、たえ子を救おうとざぶざぶ海に入っていく。手持ちカメラが作る揺れる画面にも役者二人の演技にも、…

『ブランケット・キャッツ』いよいよ終盤へ

第5話『嫌われ者のブランケット・キャット』今のところ、第5話が一番意外性があって、プロットそのものにも魅せられた。老人の理不尽に見える用心深さの背景には、息子一家を喪う悲劇があった。卓也は浅はかだが純粋で、人の気持ちの核心がよくわかる。そん…

『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』第1話

明るく楽しい連続ドラマが始まった。"時代劇"ならぬ"時代ドラマ"枠だそうな。『みをつくし料理帖』は総合点の高い時代劇だったが、小野寺のぎすぎすした物言いが、やっぱりいかにも藤本調で大好物とはいかなかった。今回は、昭和初期の風俗を楽しめればじゅ…

『ブランケット・キャッツ』第3話『二人ぽっちのブランケット・キャット』

健康、記憶、仕事、持ち家など今まで持っていたものを失った人々が苦しんでいた1話2話。長らく持ちたかったもの――ものというか、子どもだが――をあきらめて、次に進もうとするのが第3話。世間的には前2話のほうが深刻と受け取られるのだろうが、石田夫妻の痛…

『ブランケット・キャッツ』第2話『わが家の夢のブランケット・キャッツ』

岩合さんの『ネコ歩き』の向こうを張って、猫好きホイホイ企画がスタートした。 二匹一役はなさそうだ、二匹一役なのか三匹一役なのか? 初回、巧い具合に猫が椎名秀亮の肩に載ったが、あれは演技指導のたまものなのか、まさかトレーナーがぶん投げたのか? …

『破門 疫病神シリーズ』チャンネルNECO一挙放送

むっちゃおもろかった!末廣健一郎の威勢のよいBGMが耳に残る。 黒川博行の原作(『破門』、『疫病神』)は未読。2015年にBSスカパー!で連続放送されたのは知っていた。J:COMのおかげで2年後に拝めることができてありがたいことである。ヤの字のお仕事の人が…

『ダウントン・アビー6』第7回『悲しみの決断』

シーズン6は全10回だそうで、いよいよ7月9日で完全にお別れだ。予定通りシーズン3で止めておけばよかったのにと思ったこともあるが、延期したわりに怖れたほど脚本の質が落ちていない。プロットよりレトリックで魅せるのはあいかわらず。 観察眼、実行力とも…