2014-01-01から1年間の記事一覧
このドラマの個性を作る大きな要素の一つが清水靖晃の音楽で、かならずしも登場人物によりそった感動をあおるタイプのものではなく、要所要所で異化効果をもたらしている。過去3回は、主人公より識見豊かなアドバイザーが客観的な意見を語ることで、これまた…
ヨシワラとかウラとかドウシンとか、いやでも興味をかき立てられるタイトルなのだが、いざ始まってみると、いろいろちょっとずつ(場面によっては大々的に)足りないドラマであった。松竹の協力があるBSとの差なのだろうか。佐野元彦統括による時代劇は、出…
三池版『十三人の刺客』からグロを引いて、人の情けが報われる話とヒロインの華と、さんざんハラハラさせた末の後味のよさを加えたウェルメイドな時代劇。『そこのみにて光輝く』に見られるベストワンを争うような陰影はないが、映画館で楽しい気分を味わい…
西島氏のナレーションの声がずいぶんと若々しく感じられた。が、べつに人柄が変わったわけでもないようだ。あいかわらず美女を高級レストランに呼び出して、とちゅうでほったらかして帰るという、もったいない性癖を披露している。料理人に丸聞こえのカウン…
見送るつもりだったのだが、主体性がないこととてツイッターで目利きが褒めているのにつられて、あわてて第1回を再放送の録画で視聴。気に入って第2回から本放送を録画。 5分ほど見たところで、賞を取りそうだなと思った。テーマやスタッフワークの質の良さ…
津嘉山正種が影も形もないのはいささか残念だった。銃弾を打ち込まれた御仁が、そろいもそろってしかるべきダメージを受けないのがヘンであり、さらに百舌のはやにえ状態に落ち込んだ宏美が――あの角度で刺さったのに、どうやって抜け出したのだろう? ――ゾン…
『軍師官兵衛』の脚本について云々するのはもはや徒労という感じなので、役者のことだけ。谷原章介演じる竹中半兵衛が退場したので、そろそろ視聴打ち切りの潮時か。知的に見える登場人物が消えてしまったのが見ていて辛い。だし役の桐谷美玲は大健闘だった…
時代劇マニアが褒めていたので、パート1の再放送を視聴。絵作りや世界観を云々したくなるBS時代劇にくらべると、BGM過剰でいろいろとチープだったが、民放の時代物の火をつなげようというスタッフの意思だけでも貴重であるし、全体にどちらかといえば良質な…
前回は、泣き落としや予定調和と無縁の取り調べシーンを堪能。今回は、虚々実々の駆け引きあり、主要登場人物三人が危機にさらされる点では今まで以上に緊迫感に満ちたアクションありで、Season 1最終回へつなげるにふさわしい内容。登場人物が、転んでもた…
外面的な動きが大きかった前回と対照的に、静の印象が強い回。シングルファーザー室井の私的な部分が明かされた。あの立派な建物は、公安幹部専用の施設? 生瀬の抑えた芝居に、諦念、忍耐、愛情がにじむ。倉木の「からっぽのままなんです」を聞いた時の意味…
『MOZU』パート1が終わったら、しばらく民放からおさらばするつもり……だったが、おもしろそうなドラマ情報が入ってきた。http://www.tbs.co.jp/oyajinosenaka/ 10組の父と子のドラマを1話完結で放送とな。その昔、『東芝日曜劇場』が1話完結で、良質なドラ…
主演 堀切園健太郎のドラマが終わった。後半は不快感しかなかった『負けて、勝つ』にくらべればはるかに楽しめたものの、最後の5分にねじ込んできた原子力批判、五輪批判がNHKらしくじつに小賢しい。ハードボイルド色が強めだった初回のあとは、猟奇趣味もや…
前半のクライマックスとしてあれ以上は考えられない。羽住英一郎、渾身の一話だった。羽住監督にはぜひ、暗めのアクション映画を撮ってもらいたい。それも、30代半ば以上のおっさんが活躍するやつ。美希の尾行結果報告を中心に、理路整然と新谷と爆破事件の…
意識が朦朧とした新谷の脳内に浮かぶ不穏な荒波で、一気に引き込まれた。こういうところは、本当に映画的だ。拷問現場にいあわせるチンピラに、『ダブルフェイス』で見覚えのある顔が混じっている。おもにチンピラで食っている俳優さんなのか。焼きゴテ(?)を…
3話ぶりにリアル視聴だけでなく録画をリピートすることができた。東と中神がコメディ映画のサイコパス・コンビみたいに見えてきて、ちと困った。負け犬を味わうためとかなんとか、ご丁寧な嫌がらせのお見舞いシーンは、たぶん照明の調節にむちゃくちゃ手間を…
今年にはいってから、髷物ベストワンの座はずぅっと正月時代劇『鬼平外伝 老盗流転』が占めているが、『神谷』はそれに迫る出来であった。 番組開始前、一番の不安材料はあまりおもしろくない映画しか見たことがない本木克英が演出担当ということだったが、…
たまには、よい点を多めに指摘しよう。合戦シーンで、死体と怪我人の準備に手間をかけているのがよくわかる。準備と後片付けの様子も比較的ていねいに撮っていると思う。 半兵衛の台詞だけ別の脚本家が書いているみたいだ。「おぬしの目はくらんでおる。おぬ…
今回は、ハードボイルドというよりまがまがしい雰囲気が濃厚だった。缶詰をほおばる安藤玉枝のどぎつい唇、若いスター女優のエログロ風遺作映画、闇医者と頭がおかしい息子が暮らす荒れた屋敷の三シーンが印象に残る。財前六郎とその父財前五郎(だよな?)の…
前回書き忘れこと。新谷妹の部屋に入った人間たちが悪臭に鼻を覆うしぐさをして、視聴者を「げげ、人間様の腐乱死体が転がっているのか?」と恐怖させる場面があったが、妹の死体などはなく、ヤモリかなんかが串刺しになっているだけだった。あんな小型爬虫…
魔界・上海かと思わせる紫煙たなびくキャバレーの場面から、(『MOZU』をのぞくと)民放ではまずお目にかかれない映像美にひたった。この作品世界にもっとも寄与しているのが撮影、照明班なのに、公式HPでちゃんと紹介しないのは失礼だ。すでに『白洲次郎』…
なんでそこまでがんばるかと思った初回の1カット長廻しは、今回は無し。カメラワークで凝りすぎずに、スピーディーなストーリー展開で魅せてくれた。画面の色調のためなのか、生地の質がいいからなのかわからないが、男たちのスーツにずっしりした重みが感じ…
『アウトレイジ』を水で薄めたスピンオフみたい、フジ的な耐えがたさもないけれど、毎週見るほどのもんじゃないな~、今回はオダジョー出ないのか……電源オフにしようかなっと思ったところへ悪徳刑事、伊集院保登場! ちょろっと広島弁しゃべっただけだが、ゲ…
切れ者の同心が、虐げられた者の復讐じみた犯罪を参考に、欲得ずくの犯罪をあばく話。奥まった部屋の場面が多かった前回に比べると、野外や店先の場面が多く、開放的な印象が強い。今回はドーランが気にならなかった。 しょっぱなから男の毛脛を映すのはなん…
まちにまった運動会、きょうははれでした。と書く小学生なみに楽しかった。ハードボイルド・ファンが快哉を叫んだ夜だったろう。『外事警察』から5年ぶりに期待できそうな公安ドラマということで、この半年、地上波の現代もので楽しみにしてきたのはこれだけ…
まずは、『平清盛』で見て以来気になる須田邦裕が登場して嬉しかった。私が見るドラマや映画でしきりに見かける脇役俳優といえば、以前は寺島進だったが、最近は須田氏になった。須田氏のほうが柄がいいかな。前科者や軍人が似合うから、当然武士もはまる(…
清く正しいお話より大人向けの人情話を好む人には、安心してお勧めできる時代劇。『雲霧』リメイクより気に入った。NHK時代劇班と松竹がタッグを組むと、時専チャンネル・松竹コンビの次によい仕事をする。藤沢原作のNHKドラマとしては、知るかぎりでは本作…
贔屓の町田樹選手がSPで首位に立ち、フリーでもPBを出し、地方大会を勝ち抜いて世界選手権初出場にして銀メダル。これをめでたいと言わずして何をめでたいと言うのかという話だが、マスコミはあいかわらず特定スター偏重報道なのが不快。「町田、僅差で銀」…
努力、根性、涙と無縁でヲタク気質のタモリが好きだ。『いいとも』には長らくご無沙汰だったが、タモリにとって一つの最終回ならば、と昼の部は録画して今頃チェック、夜の部はリアルタイムで視聴。今さらながら、多くの芸人が育ち、巣立った番組であること…
なんとオダギリジョーは今季三つものドラマに出るのだとか。映画命(いのち)でやってきた男に何があったのか?? まさか銀行口座の残高が気になってきたとか? この人の場合、金銭や露出増のためだけの仕事を選ぶとも思えないのだが。当地での『リバースエ…
なにも心に引っかからなかった。大河マニア界隈では、最近の『官兵衛』のなかではそこそこという評価が多いようなので、作品の質を心配するよりも、当方の注意力散漫と耄碌を心配したほうがいいかもしれぬ。