リオ五輪

つまみ食い程度の五輪視聴者だが、それでも何度も心浮き立つ18日間だった。
*凶悪犯罪はあったようだが、いわゆるテロは(未然に防げたため?)発生しなくてよかった。ブラジルの治安部隊、警察はよく働いたらしい。
*男子50km競歩で荒井選手が銅メダル獲得後、カナダの抗議により取り消し。そのまたあとで、日本陸連が抗議して銅メダルが本決まり。身内に厳しく外国相手となると弱気なことが多い日本の組織も、今回はがんばった。
*日本勢は獲得メダル数が史上最多とのこと、すばらしい。指導法を変えるなど、時代に適応するための研究を重ねた柔道の井上監督。サラメシで「選手が僕を好きかどうか、信頼しているかどうかはどうでもいい。こちらが言ったことが伝わればいい」と言い切った女子レスリングの栄監督。この二人の監督の存在が印象深い。こんなにも女の怠け心を誘う国に住みながら、向上心を持ち、苦しい訓練に耐えて結果を出す女性アスリートたちには尊敬の念しかない。
*冬季五輪のフィギュアスケート、夏季の水泳を見るたびに、スケートリンク、プールといったエリアでの競技参加には人種の垣根があるのかと思う。このたびシモーン・マニュエル選手(米)が100m競泳で優勝。五輪競泳界で初の黒人女性メダリストとなった。偉大なパイオニアとしてアメリカの教科書に載るのでは?
*閉会式の『君が代』が川井憲次っぽいと感じたが、三宅純という作曲家のアレンジだとか。振付担当のMIKKO、音楽担当の中田ヤスタカの名前ともども初耳。才能のある人に仕事が発注されて本当によかった。椎名林檎がプロデュースするクールジャパンは本当にクールでダイナミック。4年後の開会式もこのメンバーが担当してくれますように!
*土管から出てきた安倍首相にさっそくネットで文句を垂れる意識高い人々。ナショナリズムが気に食わないなら、閉会の言葉として何度も「ブラジルを誇らしく思う」、「私はブラジルを愛する」と言ったカルロス・ヌスマン組織委会長にも噛みつきそうなものだが、そちらはお咎めなし。外国人ならOKってか? 小池都知事は立ち居振る舞いがともかく男前だった!
東日本大震災への支援についてお礼の映像を出したり、おもてなしの舞があったりしたのもよかった。この20年あまりで日本人は本当にお行儀がよくなったけれど、国旗や国歌に対するマナーという点では――メディアと学校が教えないので――かなり非常識なところがある。外国帰りでその手の常識がある人々は、周囲に「東京五輪は競技場で観戦するつもりだ」という人がいたら、それとなく世界の常識を伝えたほうがいいのでは?

祭りの後の寂しさはあれど、ワールドニュースの番組編成が通常に戻ったのはありがたい。
パラリンピックの宣伝はまだか?