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『デート~恋とはどんなものかしら~』第3話

おもしろいのだが、普通の話っぽくなってきた気がする。ヤンキー娘が依子に抗議するところとか、巧の依子への態度とか。巧は前回まで古美門の又従兄みたいだったのが、もっと遠い親戚じゃないかっていうくらい可愛げが出てきた。しかし基本的にはキモくてインテリ。この2点を恒常的に感じさせる長谷川博己はさすがである。

会話のテンポでおかしかったのが、
マッチゲさん「ゴルフだろ?」
中島くん「ゴルフです」
フジなのにキャストにはずれがないのは、たぶん稀なことなのだろう。

先週も巧が無意識のうちに依子を褒める台詞があったが、今回けなし半分「へたにとりつくろうより、素をさらして孤立してるほうが僕はいいと思うな」と依子をフォロー。次回からは依子がけなし半分、巧を褒めるのか。

お花のカチューシャをつけたマンガ大好き少女のなれの果て。お目目ぱっちりで童顔だが、実はとうが立っているお年頃か。巧が並べ立てる漫画家について、一緒に視聴していた家人がくどくど説明してくれた。とりあえず、少女漫画オタのうざさがよくわかった。
立ち去りぎわ、フホホといった調子の「悪いね。ごめんなさいね」。ハセヒロの表情が細やかで巧い。

毎回、デート当日と準備期間が細かく交互に映されてスピード感がある。
和室で長身の松重豊と杏が座るシーンには、"体が折りたたまれている"ような滑稽味を感じる。どうせ脚本家は小津を意識しているのだから、もっと小津的ローアングルで撮ればさらにおかしみが出るのに。セリフも「デート、するのかい」「ええ、するわ」「無理しなくても」「いいえ、するわ、するわよ」みたいなパロディで笑わせてほしい。長方形の座卓につく場合、ふつうなら長い辺で向き合いそうなものだが、なんだってわざわざ距離をとって食事するのだろう。

パーティー終了後、巧からファイルを受け取った受付役女優のいやそうな表情がナイス。

鷲尾が好みのタイプを訊かれて「芯があって何ごとも一生懸命がんばる人」と答える。女性ではなく「人」……まさか依子の父のことでは……さすがに『リーガルハイ』と同じ手は使わないか。

リア充がさらなる上手にしてやられるサブストーリーもおかしかった。
「口ほどにもない」例が他出する回であったが、そのなかで口よりは奮闘したのが巧である。漫画の登場人物ならこういう時女性を助けに行くから、となけなしの勇気と腕力で心理カウンセラーを追い払った。素直にフィクションの影響を受けた結果だが、佳織が語った「いじめられる女の子を助けたり」する少年時代の長所が復活したと見ることもできる。

巧が心を病んだきっかけ描写は、作風からして深刻趣味には走りそうもない。『リーガルハイ』のさおりネタなみナンセンスは今作はなしかな?
終盤、巧の生き方がどう変わるのか予想がつかない。今の日本で大手を振ってあの生き方を貫くなら性転換でもするしかないが、このドラマでそんな手は99%ない。ガテン系の仕事も会社勤めもまず無理。となると、周囲の勧めで、依子や工務店社長に融資を仰いで自費出版で自伝でも出すのだろうか。『余はいかにして高等遊民となりしか』とか。

依子の母の亡霊について。依子の内なる「女性はこうあらねば」の縛りと亡母の実像が、どんな兼ね合いで混ざっているのか実に興味深い。