『MOZU Season 1~百舌の叫ぶ夜~』Episode 2

なんでそこまでがんばるかと思った初回の1カット長廻しは、今回は無し。カメラワークで凝りすぎずに、スピーディーなストーリー展開で魅せてくれた。画面の色調のためなのか、生地の質がいいからなのかわからないが、男たちのスーツにずっしりした重みが感じられる。

自分を騙しにかかる人間たちの言葉の矛盾に逐一気づく場面で、新谷の鋭敏さが示され、狭い空間での格闘シーンで殺し屋としての技量が示される。前者は、大河ドラマで登場人物の頭の良さを表現するための必須アイテムなんだがなぁ……。

倉木がどこにでもずんずん入り込んじゃう能力が凄い。やりすぎて漫画にならないようにお願いしたいものだ。

古めかしさを出したいのなら、倉木には「妻」ではなく「女房」と言わせた方がいいと思うのだが、「妻」のほうが西島氏の柄に合っているのかもしれない。
中神が美希をののしる場面。実にひさびさに「小娘」という単語を耳にした。今季、連ドラの主役を張る女優陣は尾野真千子をのぞけばまさに小娘呼ばわりしたくなるタイプばかり。真木よう子演じる美希はもちろん小娘よりゃ格が上である。大人の女性を出すなら、主人公は中年男が一番だ。
サスペンスを盛り上げるためのよけいなBGMがないところがいい。演出陣が役者を信じている。そしてたぶん、番組ファンの中心となる30~40代男性の鑑識眼を信じている。