『おやじの背中』第五話

先週は『バブル』のゴールデンコンビ、鎌田&渡瀬が復活したにもかかわらず、型にはまった夫婦描写、世代描写にものたりなさを感じた。

今回は木皿泉脚本が親子関係の変わる面、変わらない面をさらりと描いて秀逸。第一話はなかよし親子ごっこと疑似夫婦の混ざり具合が気持ち悪いと思ってしまったし、第二話はスルーしたし、第三話は父と子の話とは言えなかったしで、今のところ今回がベスト。
遠藤憲一は、あの顔で出てきただけで滑稽だったり、怖かったり、渋さを感じさせたりと、ユニークな俳優だ。「ママ、ママ」と言わせる脚本家のセンスがたまらないし、それを言ってなんともいえないおかしみを醸し出すエンケンもよい俳優なり。堀北真希はいまどきめずらしい品のある美女だが、なかなか和宮を超える役に合えないようだ。今回の一本気なドブコ役は、彼女の持つ清潔感を生かせた悪くない役。『八重の桜』で年増の鬱屈や色気を表現した谷村美月が、結婚に不安を抱く若い女性役。いろいろな時代劇でぞんぶんに力量を発揮している貫地谷しほりにくらべると、いまいち不遇の感がある。

来週の担当は、できれば近寄りたくない橋部女史。尾野真千子國村隼というキャストの魅力にあらがえず、とりあえず視聴決定。