『十三人の刺客』(BSプレミアム)

池宮彰一郎の原作は未読。

1963年公開――もちろん見たのはテレビ放映――のぴりっとした工藤栄一作品や2010年公開のグロとパワー全開の三池崇史監督作品に引けを取らない映像化で、堪能した。

 

*近年のNHK BS時代劇は蝋燭に照らされた夜の邸内の撮影がことに魅力的。しばしば大河以上に重厚な雰囲気が醸し出される。

*お名前は存じ上げなかったが、金哲彦Dの作品がまた作られたら是非拝んでみたい。二時間、画面に目が釘付けであった。

中村芝翫の台詞の間合いに魅了される。何世代にも渡って受け継がれてきた芸の力!

*もうちょっとだけ刀に重量感が感じられれば、と思ったが、おおむね見ごたえのあるチャンバラ劇だった。殺陣は清家三彦! どちらかというと軽快な殺陣をつける印象が強かった人なので、エンドロールを見て意外に思った。今回は力強さ重視のやり方をしてくれて実に嬉しい。

高橋克典はずいぶん出世したなあ! 『麒麟がくる』の「城に帰って寝るか!」の古強者ぶりもよかったし、今回も立派な準主役(?)ぶり。

ツイッター上で神尾佑の評判が良い。渋い声も低い重心を維持しながらの剣裁きも最高である。

*一つだけ大きな疑問。貴重なチャンバラ時代劇なのに、なぜ名手、高橋光臣がキャスティングされなかったのだろう?? 次回のスペシャル時代劇にはきっとオファーが来ますように!