『アンサングシンデレラ』第1話

原作漫画好きの家人につきあってワンクール視聴することになり……疲労がたまる予感。
当方は原作未読である。

石原さとみ主演の『校閲ガール 河野悦子』は校正と編集の仕事を混同した作りがひっかかったが、今作は薬剤師の仕事とナンカをごっちゃにするのかしらん。
今季、『MIU404』は昭和型熱血ドラマが苦手な層向け、『シンデレラ』と『BG~身辺警護人』はそうでもない人向けか。

製薬会社と調剤薬局は誰よりもこのドラマのヒットを願っていることと推察する。聞いたことのない調剤グループのCMを見た。どの業界も統合合併が進んでいて、情報収集が追い付かない。

ヒロインがダッシュするのがはた迷惑に映らないように、広々した病院をロケハンしたようだ。

わざと病状を悪化させて何度も入院……アメリカだったら親が借金重ねてすごく苦労しそうだし、一部欧州なら、入院手続が数週間後に終わるまでに血糖値が大変なことになるだろう。先進国のなかでも、国民皆保険に守られた日本の少女にしか許されない行為である(そりゃ、フィクションだけど)。
流行に乗って、ヒロインが少女たちに「寄り添う」だけで終わるかと危惧したが、さすがに薬の専門家として言うべきことは言っていた。

専門的なネタで見栄えのするドラマを作るのはむずかしいから、越権行為めいた描写は欠かせないのか? それにしても、妊婦の異常には、まず助産婦や看護師が気づくはずだと思うが……警察と病院を舞台にしたドラマでリアリティをあれこれ言うのは野暮と言うものか。

毎度毎度、真矢みき演ずる薬剤部部長が疲弊する展開は勘弁してもらいたい。

好き嫌いはさておき、コロナ禍により中断された撮影が再開され、若い視聴者が前向きなエネルギーや希望を受け取れるドラマが無事放映開始されたことは喜びたい。