12月13日『クマロク!』

『いだてん』最終回直前インタビュー

中村勘九郎
*一つのシーンであれだけ走らされるとは思わなかった。以前は、走るのはもちろん歩くのも嫌いで革靴やブーツしか履かなかったけど、大河の撮影が始まってからはスニーカーを履くようになった。今じゃランニングは趣味。走っていると、四季の移り変わりや車の色、人々の服装の変化などが目に入って新鮮。
*とくに印象に残っているのは、ストックホルム・オリンピックのシーン。金栗さんにとっての分岐点。(NIPPONじゃ誰も読めないという大森たちに「ばってんJAPANじゃ奮い立たんとです!」と反論する場面が流れる)ストックホルムでの一ヶ月ロケは思い出深い。熊本の景色、におい、ごはん、人の温かさを思い描きながら演じていた。
*(来年のマラソン会場の変更について)まーちゃんじゃないけど、全然町が盛り上がってないじゃんねぇ! 大丈夫か? 100年後とかに、来年のオリンピックのことがドラマになるかもしれないですよね。
*純粋にスポーツを楽しんでるんだなってのが伝わってきますし、これだけ大変なんだなっていうのもね、伝わってきますね。政治とスポーツは別モンばい。
*晩年の金栗さんの映像が残ってるんですけど、左足だけ外輪になってます。そこは細かく忠実にやってます。たぶん誰も気が付かないと思う。
聖火ランナーになれなくてがっかりしとったけど、最終回は全部つながって大団円です。

宮藤官九郎
*金栗さんは調べれば調べるほど貴重なエピソードが出てくる。フィクションを書く人間じゃ考えられないような秀逸な話がいっぱいある。こんな偉業を達成した人が知名度低いなんて……と思った。僕が書いててそう思うんだから、見る人もおもしろがると思う。初回の雨のマラソンで帽子の塗料が流れて"血"みたいに見えたのは史実。もちろん(ドラマみたいに)歌舞伎の隈取みたいにはならなかっただろうけど。
*井上Dからは元々「戦争のドラマにしたい。暗くなり過ぎない、見てて辛くなるだけじゃない戦争ドラマできませんかね」と言われていた。(まーちゃんの原爆云々の言葉は)史実だからこそ書き残したかった。
*最後は金栗四さん主演ドラマとしての結末も入ってます。