ぴんぼけニュース語り

*国内ニュース
『プライムニュース』(BSフジ)は先週あたりから、以前にも増して興味深いテーマを連続して取り上げている。北朝鮮問題、働き方改革、有人探査のあらたな焦点、第4次産業革命を生き抜く方法云々。とりわけ宇宙開発の回は、向井千秋若田光一油井亀美也3氏のお話がおもしろかった。皆さんいい顔をしていらっしゃる。火星への渡航の際は月面の水と氷から(水素と酸素を分離して)燃料を生成すればよい。宇宙で使う長期滞在用施設の開発は、地上で利用可能な施設の開発にもつながる。月面の砂を月面建設の資材に利用する際に既存の建設技術を応用できる、この分野は日本が強い。傾聴に値する、具体的かつ肯定的な意見がさまざま開陳され、日本にもまだ活路はありそうだと感じることができた。
この番組は、ゲストから専門家としての意見を訊き出し、かつ踏み込んだ質問をする反町キャスターの存在なくして成り立たないのだが、なんと同氏が4月から『プライムニュースイブニング』(PM4:50~)なる地上波フジTVに移ってしまうとか。失礼ながら、Eテレを除いてそんな時間に放映する地上波の番組に、録画してまで視聴する価値があるとは思えず。また、肝心の『プライムニュース』の質が維持されるのかもひじょうに心配である。宮内社長の意図はどこにあるのやら……。

*海外ニュース
BBCが母子ケアシステムについてミニ特集を組んだ。以下、ザル頭に残った範囲で覚書。ヨーロッパのニュースはしばしば旧植民地に触れるのだが、今回はインドの新生児の栄養状態の悪さや医療制度の不備とともに、マラウィ(1964年独立、現在は英連邦加盟国)の母子健診導入の試みを紹介していた。さらに、日本はなぜ世界で唯一、”新生児の死亡が1000人に1人未満”を達成したのかを取材。母子手帳の配布、産婦および乳児誕生後の母子の定期健診という取り組みが功を奏しているようだ、という結論だった。日本の産科医療従事者の技術力(と過酷な勤務状況)にも触れてほしかったが……現状では日本の母子ケアが世界一であることは間違いない。


ユニセフの関連記事↓
https://www.unicef.or.jp/news/2018/0023.html
カナダの関連ネット記事↓
http://www.cbc.ca/news/thenational/national-today-newsletter-school-shooting-infant-mortality-1.4543496
("Births, and too many deaths"以下)

途上国での新生児の死亡の8割は、早産、栄養失調、先進国なら治療が容易な病気が原因とされる。全死亡の過半数を占める10ヶ国には、件のインド、マラウィが名を連ねる。旧植民地からあいかわらず収奪するとともに少しは援助もしてきたイギリスでは、「なんとかすべし」の声が上がるのではないか。
最近は随分とけっこうな国のように伝えられるカナダは、乳幼児の栄養状態に関して豊かな41か国のなかで第37位。子供の18%が貧困状態にあり、先住民の子となるとそれが51%に達する。
つねづね、新生児の死亡率の高さと妊婦経産婦の不平不満の多さは反比例するのではないかと邪推してきたが、日本に次いで子が育ちやすい北欧やシンガポールの女性がぐだぐだ言ってる系の話は聞いたことがない。メディアの産科医叩きも日本が突出しているのだろうか。

ABCは連日、銃乱射事件のその後を報道。娘を殺されたある男性が息子達とともに連日カメラの前で発言している。見たとこいかにも成功したビジネスマン風だ。「政府はいいかげん規制に乗り出すべき」と主張する彼は、強気ではあるがヒステリックではなく、背広の襟には星条旗をかたどったピンバッジをつけている。政府に抗議する人のタイプの彼我の違いを感じる。