『伝七捕物帳2』第4回「伝七、狐に化かされる」

吉原裏同心』で完璧なドラマデビューを飾った野々すみ花がゲスト出演。
彼女が演じる女盗賊・白狐のお仙は、ちょっとした女優なら誰もが挑戦したいであろう、『雲霧仁左衛門』の七化けのお千代のような役柄だ。ふた昔前の池上季実子でも見てみたかった。で、もちろん野々嬢、お上手ではあるが若干無理して気張っている気配が感じられた。次回は大名の奥方とか位の高い御殿女中を演じていただきたい。

お仙の手下が松尾諭。泉ちゃん、こんなところで何やってんだ……この人と六角精児の見分けがつかないお年寄りがいそうだな。

脛に傷持つ人間が悪党からの誘いを断ったばかりに、難儀な目に遭う。時代劇によくあるパターンだが、手堅くまとめて、最後の締めは毎度おなじみ梅雀の「めでてえな!」。よく練られて後味の良い娯楽時代劇である。

脚本がお久しぶりの山本むつみだった。過去10年、正攻法で政治を描けた大河脚本家は彼女のみ。変化球の三谷幸喜森下佳子もそれなりに楽しませてもらっているが、数年後の山本女史の再登板を強く希望する。

『伝七2』は9月22日で終わるようだ。寂しいことだが、その翌週『神谷玄次郎捕物控』再放送が始まるのはひじょうに楽しみだ。ここ数年、『神谷』を超える渋くかっこよいチャンバラ時代劇に出会っていない。