『ブランケット・キャッツ』いよいよ終盤へ

第5話『嫌われ者のブランケット・キャット』
今のところ、第5話が一番意外性があって、プロットそのものにも魅せられた。
老人の理不尽に見える用心深さの背景には、息子一家を喪う悲劇があった。
卓也は浅はかだが純粋で、人の気持ちの核心がよくわかる。そんな若者を演じる太賀のうまさに、ちょっと凄みを感じた。恋人の悦子は世間的にはできた娘さんと言われるのだろうが、人を試そうとするところやら湿っぽい目つきやら、極私的には苦手なタイプだ。

第6話『助手席のブランケット・キャット』
ひたすら我慢する人生を歩んできて、死ぬまでにしたいことリストを8までしか書けないたえ子……今の日本は大声で文句を言う女性だらけなようにも見えるが、おとなしくて目立たない、たえ子のような女性もじつは一定数存在するのだ。馬鹿がつくほど正直に生きてきたのに、魔がさして会社の金を持ってきてしまう痛ましさ。家出兄妹と親子ごっこに興じるつかのまの幸福……来週警察にうんと怒られるのかなぁ……。富田靖子は近年、病んだ女の怖さを達者に演じるイメージが強いが、今回は薄幸感がたまらない。

猫かゲストが中心になる場面の吸引力にくらべ、人間のレギュラー陣中心場面がちょっと辛い(美保純はOK)。美咲と楓がキャピキャピ(死語)騒ぐくだりに、バブル期のドラマが紛れ込んだような違和感を感じる。