『狙撃』

原作未読。警察機構の改革ネタといい、公安の陰謀ネタといい、手あかがつきすぎではないのか。チェック機能が働かない第四権力がこんなドラマ作って悦に入るのは笑止。演出でおもしろくなっていればテーマなんかどうでもいいし、ヒロインと花村や成瀬の交流には惹きつけられるものもあったが、真武の神出鬼没がオカルトじみているのと、最後の雑な四連殺には当惑した。

いきなり不自然な大人数一斉ダッシュをやらかすので、てっきり鶴橋康夫が演出と思ったが、エンドクレジットの文字は"秋山純"。もしかして鶴橋氏の弟子なのか。

佐藤の浩ちゃんてば、大事なシーンで何度も髪をかき上げるなよ。屋上で予想外の風が吹いたのなら、扇風機でなんとかできたのでは?

上月のその後が容易に想像できる終わり方だったが……狙撃事件の真実暴露は、大きなものを犠牲にしてまでやる価値があるのか?? と思ってしまうダメな視聴者である。

最近では人殺しより目の敵にされる喫煙シーンを主演女優にやらせていた。いちおう気骨ある演出と褒めなければいけないのかな。なんだか最近オノマチとハセヒロばかり見ている気がする。今回は『外事警察』の二番煎じの声もあって、それは否定できないが、とりあえず仕事に生きざるをえない女がはまるのだから、尾野真千子は大事にしてもらいたい。彼女が出演する民放ドラマで視聴したくなるものが滅多にない。
鈴木麻衣花は、ふんわりした見た目ながら芯がある役を好演。