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『信長協奏曲』終わる

まさか大河に挫折して、月9をおもしろがる日が来るとは!
細かいところはどうでもフィクションとして芯が通っていれば、視聴者を引き付けられるよい見本だった。イケメンや綺麗なお姉さんがべらべら「戦はあきません」、「結婚は愛する人とするもの」とまくしたてる大河を見ながら欠伸する若者が、「わしは信長様のために戦う! 自分の名誉のためには命がけで戦う!(後半はすごい記憶違いの恐れあり)」と叫ぶさえないおっさんの姿に涙し、「婚礼は女の出陣。兄上、祝ってくだされ」と微笑んで輿入れするお市ちゃんの姿にほれぼれしている現状を、NHK職員は知るべきである。比叡山の僧侶が暴れたのは信長が伴天連を優遇したから、という理由づけには、そういう手があったか!と思わされた。"それなりのロジック"が入っていれば、少々の史実変更など気にならないものだ。

平成風ののんき気質が抜けきれなかったサブローが裏切られ、「こんなんばっかだよ」というつぶやきに浅井久政、浅井長政朝倉義景のアップがかぶさる演出は、ちょいとかっこよかった。全編通して一番好きなカットかもしれない。

濱田岳のアホかわいい家康は最高。大河で気の毒だったが、これで今年の俳優生活は満足では?
高橋一生は、頭脳的な魅力ならこれまでも発揮する機会はあったものの、陣触れなどの武張った演技で魅せる機会にはあまり恵まれなかった。彼のポテンシャルを大きく示したという一点にかぎっては、今作はあの『風林火山』すら上回っている。
極私的に史上初めて藤木直人を魅力的だと思った。いらぬ笑顔を浮かべない切れ者の竹中半兵衛に説得力がある。病気設定抜きであっさり殺される最期が、なんとも潔い演出。
天地人』では周りのだめな若手に引きずられず、一人でしっかり時代劇芝居をしていた小栗旬。今回は、いかにもいまどきの高校生から冷徹な信長まで、柔軟性に富んだ演技がすばらしかった。

でもって、続きは来年十二月映画館で!とのこと。ジェリービーンズみたいな色の幟を大画面で見るのはカンベンしてもらいたい。再来年テレビ放映されたら見ることにします。

来クール『デート~恋とはどんなものかしら~』の脚本が古沢良太とな! ハセヒロの理知的なせりふ回しが脚本と相性よいのは想像できる……しかし、予告を見るかぎり、武内Dの非知性的な演出がすべてを台無しにしている可能性が疑われる。