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『吉原裏同心』第10回

優しさから出た嘘。
嘘から出た実を期待して、相手をする優しさ。
幼稚園向き道徳劇とは一線を画す人情劇が心に沁みる。

玉藻に言われた若者たちの仲立ちを、神守夫妻に押しつけてしまう四郎兵衛。近藤正臣のもじもじ芝居が笑えた。

先週、先々週と薄墨太夫成分が欠乏していたが、今回は要所要所に出番があって嬉しい。「おわかりではないのですか? それとも、わざとおわかりにならないふりを……」。野々すみ花は盛装していない場面の、冴え冴えとした美貌もよい。しっかし、せっかく大人の女がすがりつく相手が、なんか神妙なクマのぷーさんみたいのがどうもなぁ。『玄次郎捕物控』の高橋光臣中越典子のコンビはよかったと、つくづく思わされる。それに、殺陣も○×△◇……。

なぜ、小春は貯めた三両を薄墨太夫に預けたのだろう? 手元にあると使ってしまうから??
馬渕英俚可ははんなりした風情があって、安心できる時代劇女優の一人だ。

貫地谷しほりの「いえ、そういうことじゃなくて」が上手い。やわらかさと、武家の出らしい物堅さのバランスがいい。

佐吉もできれば毎回出てほしい。すね者の自分でも人の役に立てることを知った幸せ。

「そりゃあ、よかった。早く一人前になって親方に認められるこったな」。うなずきながら内野謙太を見守る山内圭哉に包容力と色気があってなんともいい男っぷり。