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『超高速! 参勤交代』

三池版『十三人の刺客』からグロを引いて、人の情けが報われる話とヒロインの華と、さんざんハラハラさせた末の後味のよさを加えたウェルメイドな時代劇。『そこのみにて光輝く』に見られるベストワンを争うような陰影はないが、映画館で楽しい気分を味わいたい方には安心してお勧めできるエンターテインメントだ。本木克英には、年頭までまったくよい印象を持てなかったが、『霧の果て~神谷玄次郎捕物控』と本作で、極私的には完全に”時代劇の名手”にイメチェンした。今後はBSと単館系映画でハードボイルドや芸術色ゆたかな時代劇を、メジャー映画で今回のような明朗な時代劇をお願いしたい。

『十三人』以来念願だった伊原剛志の活躍を拝めてなにより。邦画界はますますJAC(今はJAE)仕込みの才能を大切にするように。主演のサ行の発音がいつも苦手なのだが、今回はあまり気にならなかった。女は「おなご」で通せばよいものを、一度だけ「おんな」と言ってしまったのは、脚本のうっかりミスか? 俳優のうっかり?
のぼうの城』以来、上地には知恵者をやらせる習慣ができたのか? ちゃんと役にはまっていたし、チャンバラもよかった。深田恭子嬢は、じつにキュートであった。

身分差別への異議申し立てを、上から目線の空理空論ではなく、苦労した女郎らしい言葉づかいで言わせていたところなど、ほどの良さに好感が持てる。