大河のキャスティングあれこれ

軍師官兵衛』の脚本について云々するのはもはや徒労という感じなので、役者のことだけ。
谷原章介演じる竹中半兵衛が退場したので、そろそろ視聴打ち切りの潮時か。知的に見える登場人物が消えてしまったのが見ていて辛い。
だし役の桐谷美玲は大健闘だった。脚本家がイカレポンチなのか、統括Pのセンスがへんなのか、亭主の苦境もわからずに牢屋の官兵衛の心配ばかりする、おばかちゃんな奥さんにされてしまって気の毒だったが、処刑時の優しくも毅然としたお芝居は、初大河の女優さんとしては百点満点。もちっとましな役柄で、はやめに時代劇で再会したい。所作もよかったし、装束が似合うし、なんといっても可憐であった。
田中哲司氏も、とんちきな脚本ながら、人間味あふれる武将を好演というか巧演している。

官兵衛のリハビリシーンで、もこみちが岡田君に肩を貸していたが、なんの苛めか?! 濱田岳がやるべきだろうに(苦笑)。知恵担当には見えなくとも、なごみ系マスコットとして期待していたのに、濱田君の見せ場があまりなくて残念。
中谷美紀さまの無駄遣いは気の毒なかぎり。(BGMと)彼女の涙と絶叫で、ドラマを盛り上げてもらおうというスタッフのもくろみが浅ましい。あれでは、ただのヒステリック女にしか見えない。

来年は、鬼門の女大河&原作無しだし、主役の相手役が大の苦手のお人なのでスルーのつもり……だったのに、音楽が川井憲次となれば、冒頭だけでも見ずばなるまい。そして、吉田松陰伊勢谷友介高杉晋作高良健吾となると、OP以降の場面も気になってくる。ったく、伊勢谷も高良も安っぽくない役ばかりで羨ましいな!
来年の成否は、脚本家が演説を書けるかどうかに大きくかかっている。2008年からこっち、聞かせる長台詞を書ける人は山本むつみだけ。どうなることやら……。