『軍師官兵衛』第14回『引き裂かれる姉妹』

まずは、『平清盛』で見て以来気になる須田邦裕が登場して嬉しかった。私が見るドラマや映画でしきりに見かける脇役俳優といえば、以前は寺島進だったが、最近は須田氏になった。須田氏のほうが柄がいいかな。前科者や軍人が似合うから、当然武士もはまる(強引)。尼子勝久役なら、今後すこしは見せ場がほしい。その家臣の山中鹿介役、別所哲也は、腱鞘炎になりそうなアクションシーンで登場したが、大丈夫だったのか?

合戦シーンは、鎧つけた皆さんはがんばってるので、映し方でもうすこし迫力を伝えてほしかった。

宇喜多直家の「戦いに綺麗も汚いもあるものか。そうでもしなくては、生きていくことはできぬわ」は、『官兵衛』にしてはおもしろみのある台詞。陣内の顔芸で乗り切ろうとする演出姿勢はあまり感心しないのだが。

大河マニア一同をイラッとさせた官兵衛夫婦の平和の誓い。なんで地方大名の家来にすぎない夫が戦乱の世を静められると思うのか? 光の思考回路が謎である。戦争がなければみんなハッピーってのも浅はかな考えである。『炎立つ』で「平和になると女どもが人の悪口を言う。いやだいやだ。早く戦になればいい」という台詞を書いた中島丈博は凄かった。今こんな脚本を出したら、プロデューサーが速攻で「はい、書き直し~」と命じるだろう。

あいかわらず半兵衛が一番賢そうに見えるのだが、うすっぺらい台詞をしゃべらなくてすんでいるおかげかもしれない。くれぐれも、退場回で寒い反戦スローガンとかとってつけたような主人公ヨイショとか、やらされませんように。