町田選手、5位入賞おめでとう!

高橋選手の銀メダル以上、町田選手の5位以上を願っていたら、半分は叶った。一スケートファンとして幸せだ。
町田は、ミシェル・クワン以来の『エデンの東』を使った感動的なショートの最後、ルッツがダブルという痛恨のミスで予想もしない点数になってしまった。フリーでは熾烈な3位争いが繰り広げられたが、彼はショート11位からの大逆転をなしとげた。フリーだけなら4位である! EXでも全身で訴えるプログラムで楽しませてくれるだろう。
高橋は怪我や使用曲がらみのトラブルで、今シーズンは本当に気の毒だった。フリー演技中の表情は、なんと形容したらいいかわからない。高得点を取るために戦っているのだから、達観という言葉は当たらないのだが、どこか魂が浮遊しているような、ほかの選手でも記憶にないような表情だった。怪我のために細かいミスが多くとも、滑りそのものの滑らかさ、うまさはやはり群を抜いてたように感じる。ジャンプに入る前の「飛ぶぞ!」「飛ぶぞ!」という力みや、演技のぶつ切り感がまったくないのは、さすが。PCSもスケーティングスキルも、トップのチャンに肉薄した。

日本人がチャンピオンになったのは、ともかくめでたい。ショートでチャンのミスがしかるべく減点されなかった疑いがあるので、フリーもそうかと危惧したが、まっとうな採点だった。女子シングルもジャッジを信用できるようなら、男女で日本金の可能性が高いのだが、とてもそうとは言えない現状で胸が悪い。
万事きびきびしたテンの銅メダルも喜ばしい。もちろん、高橋や町田が取ってくれればもっと嬉しかったけれど。

表彰台の顔ぶれを見た白人のスケート連盟委員が、またルール改正をもくろみそうだな。

オリンピックのシングルで最終グループが、全員力を出し切って見事だったのは、記憶している範囲では長野の女子だ。技術水準がアップして、ますます納得のいく演技がしにくくなっているのだろうか。解説の五十嵐さんが「久々に男子シングルの重厚感を見た」と語った、ソルトレイクヤグディンはやはりすごかった。

ブレジナのコーチが、アルベールビル金メダリストのペトレンコだった。ジャンプ以外の面でも、師匠の長所を引き継ぎ、なおかつ超えてほしい。

本田さんの勘所を押さえた冷静な解説に感謝。