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『軍師官兵衛』第5話『死闘の果て』

青山・土器の戦いの描き方が、歴代大河のなかで秀逸といえるレベルかどうかはさておき、今年楽しめる唯一の要素"アクションシーン"があったから、今回はある程度満足。

黒田を見捨てて逃げ出す小寺の殿さま。これでようやく、鶴ちゃんがスタッフから「『仁義なき戦い』の金子信雄を参考にしてね」と言われた理由がわかった。今年の作風から言って、小寺政職が山守親分なみのクサレ外道になるとも思えず、キャラはある程度参考に、鼻が赤いところはおおいに参考にってところかな。では、そのうちに鼻に白粉はたくパロディーもやるのだろうか。スタッフは俳優にあの作品を勧める前に、脚本家に笠原和夫を読めと言うべきじゃなかろうか。切れ者もおつむが緩いのも入り乱れた権謀術数の作劇として、手本になるのに。

多勢に無勢で、長引けばかならずこちらが負けるから、無理をしてでも夜襲をかける!という官兵衛の策が当たり、黒田軍は勝利をおさめる。「策」なのか、窮鼠猫を噛むなのか微妙な印象を与える……なんて贅沢を言ってはいけないのだな。余計ないまふうのヒューマニズムとか○○主義とかくっつけないで、官兵衛の「動けるやつだけついてこい!」から光姫→ショコタンの「武兵衛は命をかけて姫路とそなたを守ったのです」、黒田のご隠居と家臣どもの「えいえい」「おー!」まで、ここ数年の大河と比較すると褒めてもいいレベルだったと思う。夜襲といっても、漆黒の闇ではなく、薄明りのなかの戦いなのはめずらしいかもしれない。"アメリカの夜"のころから格段に進歩した画面処理の技術が発揮されている。
ただ、あれでは余裕綽々だった赤松たちがどんな布陣を敷いて、どこをつっつかれて壊滅状態になったのか、よくわからない。官兵衛と仲間たちの視界に入る半径数十メートルだけで話が進むのが残念。

吹越満濱田岳が出てくると、退屈な画面におかしみが醸し出される。