『私の嫌いな探偵』第一話

そこそこ笑えるコメディ仕立てのメタ・ミステリ。
五月女ケイ子による"ナイフを装備した猫"のイラストに大ウケ!

原作は1、2、8巻を図書館で借りた。謎解き自体は意外と本格的だが、それ以外の部分にはさほど熱中できず。
脚本=福田雄一なんだからもっとヘンでもいい気がするが、あまり趣味に走らずに万人向けを狙ったのか? 次回から趣向が多少変わるかどうか、興味がある。
原作では、殺された先輩のアパートはシアタールーム以外はみすぼらしいイメージだったが、ドラマではたいへん高そうなきれいなマンションにお住まいであった。かなり成功した映像作家という設定に変えたのだろうか? ま、死んじまったらそれもむなしい話だが。

海辺のヤシ並木を見ると『熱海の捜査官』を思い出す。同じロケ地かな?
事務所の犬の置物に「光江」という名札がかかっているが、なんかのパロディなのか?

朱美役の剛力さんは、『八重の桜』、『クロコーチ』に引き続き、悪くない。過去2作では、役柄上地味な衣装ばかりだったが、今回はキュートに見える衣装を着せてもらっている。「鳥顔」とは、福田さんもよく書いたな。
鵜飼役の玉木氏は、せっっっかく『平清盛』の義朝役、『ファミコン』の社長役、とよい役で見事な演技を見せたのに、その次にとてつもなくつまらないドラマに出たので、もー連ドラはやめちくれよ!と思っていた。今回は、民放としてはオモシロ率が高い深夜ドラマだから、まあよかった。高い声を作ると芝居の質が落ちる疑惑があるのだが、持ち前の低音でやってくれてるのも安心材料。ときどきアヒルっぽい声になるのと、目を剥く芝居を減らしてくれるとなおありがたい。極私的に苦手な幼稚草食系ではないかわり、好みのワイルドキャラ渋キャラでもないので、いちおうダビングするがリピートもせずに終わりそうだ。とりあえず、不快感のない連ドラは貴重。

渡辺いっけい演じる刑事がもっと活躍または失敗してくれると、話がグレードアップするだろう。