『クロコーチ』第8話

桜吹雪会がちゃんと資金運用していてほっとした。過激派に銃の売買やらせて、それを海外のテロ対策本部に密告して一石二鳥とは痛快。それまで苦労したわりに報われなかった警官遺族に「これを」とウラ手当てを渡すシーンには、正しくないかもしれないけどいいじゃないかと思わされる。

長瀬の芝居は一見マンガっぽい印象を与えるし、本人もたぶんそのつもりでやっているのだろうが、遠藤の死を知った時に目に浮かぶ悲しみの表情には真実味がある。

黒河内は実は遠藤の自殺を見越していたのではないか、沢渡の思惑どおりにいったのかもしれない、沢渡以外の差し金で殺されたようだ、とサスペンスが続いて、後半はとくに目が離せなかった。

せっかく特殊警棒という小道具を出しながら、対象を殴打する瞬間を映さない。アクション要素はちゃんとやりなさいって! 振り上げる動作だけでも、長瀬のアクション・センスがうかがわれるのだから、振り下ろすところまでやらせないともったいない。そろそろBPOがうるさくなってきたとか? 私には受付嬢が刃物握っちゃうようなシーンのほうがキツいのだが。

黒河内とヤクザの「だぁ?」「……です」が愉快。
「死んじゃった人を45年前の罪でさらしものにすることない」は、優等生の東大ちゃんよりワルの黒河内のほうが、酸いも甘いも嚙み分ける一例。
敵が一枚岩じゃなくなってきたようで、ますますおもしろい。最終回でうまくまとまりますように。戸次は阿漕な役が多いな。次から次へと男優が投入されては消されていく。新陳代謝がいいと言うかなんと言うか、前例を思いつかないほど惜しみなくキャストを使うドラマである。