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『クロコーチ』第5話までを見て

原作未読。
クロコーチ」は「コクローチ」のアナグラムでもある。主人公は、ゴキブリのごとくしぶとく、汚い手を使っても目的を果たす刑事。
45年前の三億円事件をネタに一つの仮説を立てたというユニークな試み。警察は犯人を知っていながら揉み消したらしい、真相を追う人間はことごとく死に追いやられたらしい、という描写が頻出する。
初回から人はやたらめったら死ぬわ、女の全裸死体は出てくるわ、清潔イメージで売ってる若い女優に失禁シーンはやらせるわ、自主規制BPOどこ吹く風といったあんばい。なんだ今のテレビだってやればできるのか。もしかして、ドラマのご清潔趣味も極限に振れたから、揺り戻しが始まった? くれぐれもPTAの抗議に負けて筋を曲げたりしないでほしいものだ。
予想より早く"桜ふぶき会"の正体が明かされた。暴力団じゃなくて警察の陰の組織だったとは! いまどき三億円ぽっちじゃ政府高官への賄賂や揉み消し料ですぐ吹っ飛んじゃうと思うのだが、投資して増やしてきたのか? 来週は黒河内と公安の対決開始!と思いきや、あっけなく黒河内が狙撃されてしまった。次回は入院中の黒河内にかわって清家ちゃんが活躍するのかしらん。桜ふぶき会と公安が完全に一枚岩なのかも気になる。

 
 
長瀬智也はアイドルという肩書を背負わされている俳優にはめずらしく、去勢されていない男を演じられる珍しいポジションにいるようだ。毒を以て毒を制す主人公はいまどき貴重だ。TOKIOの立ち位置が特別なのか、ていうかあの事務所の他の人が出るのは自動的に避けてきたから比べることもできないのだが。ドヤ顔したり凄んだりするたびに、マンガの原画が想像できる。たま~に、コミカルに演じているのかシリアスにやろうとして滑ってるのかわからなくなるが、女子供の玩具みたいな優男と正反対のタフガイぶりが魅力的。柄が悪いわりには若い清家刑事に敬語を使うし、清家を威圧するふうもないのは、昭和のヒーローとは違うところかもしれない。でも(でもってこともないが)黒河内の口調で「お・も・て・な・し」って言われたらすごくやだな。
黒河内はずうずうしいだけの男のようでいて、時折哀愁漂う目を見せる。放火で殺された女性ジャーナリスト葉月は、彼の恋人だった? ひさびさに奥田恵梨華の美貌が拝めたが、瞬殺で残念。綾川を「この人殺し!」と怒鳴りつける怒りのシーンには、葉月への思いもあったのかと思わされた。久々に特殊警棒取り出す刑事さんを拝めてうれすい。
昔の家庭科の教科書から出てきたみたいな清家の髪型、ファッション。予想外に剛力さんに合っているかも。賢いけどイノセントな清家がいることで、黒河内が事件の進展を(実は視聴者に向けて)懇切丁寧に説明する展開に無理がない。
小市慢太郎の笑顔が怖い。
科捜研の美女、香椎嬢が降板したのは少々残念。両親から美のDNAを受け継ぐお子さんの誕生が楽しみですね。
たぶん第5話オンリーの須田邦裕は、目に力がある。銀行員も前科者も平安の武士もこなせるよい俳優さん。基本的には硬派が得意そうだ。
板尾演じる地検が心配だ……と思っていたら、沢渡のせいで引き返せなくなってしまった。この人は、これから葛藤するのか? かんたんに桜ふぶき会に取り込まれるのか?
ラスボスの沢渡役が渡部篤郎。以前はこの人苦手だったのだが、『外事警察』で慣れた。こちらの趣味が変わったのではなく、渡部氏の首が左右に揺れなくなったおかげだと思う。