連続ドラマ

新春ドラマ

『幕末相棒伝』 なんで微妙にカメラを揺らすのか? 野外をわざと白茶けたような色調で写すのか? 退屈しないストーリー展開だけど主人公がうるさい……くらいの感想しかなかったが、最後に堀切園健太郎Dと知って納得。あの演出家にしてはドラマ部分でさほど惹…

今年の連続ドラマ

『俺の家の話』 最終回を見た今となっては、初回から見直したら重みと湿度を感じそうだ。長瀬智也の引退作品がクドカンでよかった。 『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』 原作はある程度既読。家族につきあうのでなかったら絶対見ないタイプのドラマ。原作の…

金曜日はドラマの日

『和田家の男たち』 大石静脚本で大昔、『オトナの男』というドラマを楽しんだ記憶があり、今作も男中心だからという理由で録画スタート。ドラムを生かしたBGMと男三世代のかけ合いにグルーブ感がある。 三話まで見たかぎりでは、二話が一番笑えた。宮澤エマ…

週末の連ドラ

『今ここにある危機とぼくの好感度について』 演出はよい意味でNHKらしく、退屈させない。神崎が過去につきあった女の画像データを脳内でぱらぱら検索する絵作りが愉快。ほかによかったのは 神崎が国立大の広報になったと聞いて喜ぶ婚約者。「彼女が単純な女…

ラスボスは誰か?

『俺の家の話』は悲喜こもごもの傑作介護ドラマでホームドラマで中年男の人生やり直しドラマで……ほかにもいろいろな形容が当てはまる。 寿三郎の女癖の悪さはばれたけれど、なんやかんやで仲良し家族だよね! のノリだった第七話から一転、第八話ではほころ…

大森寿美男フルスロットル!

時代劇専門チャンネルで『鬼平犯科帳』、『仕掛人・藤枝梅安』の新作発表があった。 『梅安』の過去作は一回くらい見てそれきり。新作にも興味はなかった。 『鬼平』は中村吉右衛門にとどめを刺す。時代劇関係者もあらたな『鬼平』は作りづらかろうと思って…

『ホワイト・クイーン』

薔薇戦争を描く歴史ドラマ。 ホワイト・クイーンとは、そう高い生まれでもないのにヨーク側のヘンリー四世に見染められて王妃となったエリザベス・ウッドヴィル。原案はフィリッパ・グレゴリーの『白薔薇の女王』、”The Red Queen”、”The Kingmaker’s Daught…

今季のドラマ

『青天を衝け』 大森美香脚本で唯一おもしろかったのが、朝井まかて原作の『眩~北斎の娘~』。その朝井の長編『恋歌』は血で血を洗う水戸藩の抗争を描いた辛口の傑作だった。万が一、今年の大河が『恋歌』も参考にするなら、すこしは噛み応えのあるドラマに…

『明治開化 新十郎探偵帖』第一回『仮装会殺人事件』

明治初期、人々の価値観が変わり奇妙な事件が多発する。洋行帰りの特命探偵・結城新十郎が謎に挑む。 脚本には期待できないので、開化期の風俗が楽しめれば御の字、と思って録画。NHKなんだからその気になればもっと撮影で魅せることができるのに! と惜しま…

『パンドラⅣ AI戦争』一挙再放送

11月に録画した時点では局名は”シネフィルWOWOW”。12月に入って”WOWOWプラス”と改名した由。JCOMと契約した時点では”イマジカ”だったが、なぜ451chだけころころ変わるのだろう……。 IT企業が経営するメディノックス医療センターでは、医学者の鈴木哲郎(向井…

『天使にリクエストを~人生最後の願い~』折り返し地点通過

大森寿美男のオリジナル作品となれば、見ないわけにはいかない。この人が手がけた土曜ドラマは2005年以降、コンプリートしている。なかでもオリジナル作品『TAROの塔』、脚色作品『クライマーズ・ハイ』、『55歳からのハローライフ』、『64(ロクヨン)』の…

連ドラを整理

土曜深夜『ブレイキング・バッド』(AXN HD 海外ドラマ) うだつの上がらない化学教師が自分の余命が短いと知り、家族のために麻薬製造でひと山あてようともくろむが……。疾走するトレーラーハウスと宙を舞うズボン――シュールな冒頭からぐいぐい惹きつけられ…

『アンサングシンデレラ』第1話

原作漫画好きの家人につきあってワンクール視聴することになり……疲労がたまる予感。当方は原作未読である。 石原さとみ主演の『校閲ガール 河野悦子』は校正と編集の仕事を混同した作りがひっかかったが、今作は薬剤師の仕事とナンカをごっちゃにするのかし…

六兵衛と麟太郎

期待半分で見たドラマ二つ、どちらもおもしろかった。偶然、二作とも主役が吉川晃司。 2018年、WOWOWで放映した『黒書院の六兵衛』をシネフィルWOWOWで6話、一挙再放送。名手、浅田次郎の原作は未読。江戸城明け渡しが決まり、将軍が城を出ていく。五書院番…

『美食探偵』終わる

東村アキコの原作は未読。あまりに小池栄子の評判がいいので、第3話から録画視聴。第2話はネットで再生できたが、初回を見ていないので勘所は抑え損なっていると感じる。 素人探偵の明智五郎が、弁当屋を営む小林苺――明智は執拗に「小林一号」呼ばわり――を助…

『おしん』終わる

本放送は1983年4月~1984年3月。1981年の流行語が「クリスタル族」、1984年の流行語が「マル金」。日本中がなんとなく浮かれていた時代に放送されたドラマである。明るい時代だからこそ、ああいうしんどいドラマがヒットしたのだ、という説は当たっているの…

攻めてるドラマ

イヤミスは読む気がしないのだが、黒沢清のような名手がドラマ化することが多く、映像化作品のほうは興味が捨てられない。和製のダークなドラマに限ってはラッキーなひと月強だった。あまり期待しないほうがよさそう、という低~いハードル設定だったので、…

この冬の大河と朝ドラ

『おしん』 目利きの友人の強い勧めにより、再放送を視聴続行中。総集編はすでに視聴済み。初回からずっと構成がしっかりしていて、毎日鬼のように大量の台詞が流れてきて、それが各人の個性とぴったり合っていることに脱帽である。『あまちゃん』や『てるて…

1月のドラマ

『教場』警察学校が舞台という一点にのみ興味をもって録画視聴。厳しい指導が忌避される昨今、このようなドラマが作られ、かつ広く受け入れられるとはちと意外である。主役が恐れていたほどグネグネしていなくてよかった。片目を失ったという設定でコンタク…

『まだ結婚できない男』がおもしろくて悪いか!

シリーズ1から13年もたったので、スタッフとりわけ脚本家の腕がなまっているのではないかと危惧したが、全然失速の気配はなく、毎週楽しませてもらっている。タイトルのフォントや音楽のアレンジがちょっと変わっただけで、以前のテイストは大切にされている…

『ピュア! ~一日アイドル署長の事件簿~』(全3話)

今年のお盆シーズンは『いだてん』以外の総合番組全滅……ではなく、セのつくものと無関係なドラマならと期待していた。昨年の大傑作『満願』のようなゾクゾク感は味わえずとも、不愉快ではないひと時を過ごすことができた。この調子で今夜も明日の晩も飛ばし…

『まんぷく』残すところあと2週間

ラーメン好きの家人が好んで録画チェックするので、つきあい視聴。初めのうちは時々おもしろい昭和コントという印象だったが、折り返し地点あたりからだんだんおつきあいが苦痛になり、最近はカップラーメン製造工程のネタだけが救。ハキハキ歌うのが身上の…

小河ドラマ『龍馬がくる』(時代劇専門チャンネル&カンテレ)

おおいに笑えて脱力する"非"本格派時代劇。30分(実質20分前後)×4話構成。"人生最後"の龍馬を演じる武田鉄矢本人の前に、本物の龍馬(三宅弘城)がタイムスリップしてくる。本物は、偉人伝に描かれた人物像とはまるで違う情けないところが多いけれど、ノリ…

今年の海外ミステリ追加

鳥頭が感銘を受けた作品を二つ思い出した。 『ライン・オブ・デューティ 汚職特捜班』(2012年BBC2) イギリスの警察署内の不正を捜査するAC-12に配属された男がじわじわと汚職警官を追い詰めたりネチネチといたぶられたりするお話。 ここに注目その1:映画出…

今年の海外ドラマ

不覚にも北欧の作品をチェックしそこなった。鳥頭ゆえ、直近のものから覚えている範囲でさかのぼって列挙を試みる。 『無実はさいなむ』(2018年BBC)不安をあおるカメラワーク、達者な俳優陣、(たぶん)原作からの巧みな逸脱。登場人物の過半数がいやな奴な…

三連休中のドラマ

『乱反射』石井裕也が脚本演出というのに惹かれて録画。期待以上のおもしろさであった。 ブリタニカ国際大百科事典小項目事典によれば、「乱反射:物体の表面がなめらかな面でないとき、その凹凸のために入射した光が,いろいろな方向に反射散乱される現象。…

『不惑のスクラム』第1回『老いてなおヤンチャであれ!』

「ラグビーは後退しながら前に進む。まるで人生みたいじゃないか」 画面のなかでいい風が吹いている。あまり予備知識は仕入れず、『不滅のスクラム』と勘違いして見始めたが、期待を超える第1回だった。先日の『太陽を愛したひと』からスポーツが絡むよいド…

『BORDER』(テレ朝チャンネル1)再放送終わる

聞きしに勝る快作で満足満足。堪能した『MOZU』でさえダビングが億劫で結局やらずじまいだったが、このドラマはダビングしてもいいかなという気分。 放送前からプロットはすべて決まっていたとかで、大人の事情で路線変更しましたみたいな事態が起こらず祝着…

『チア☆ダン』ep1-2

オダギリジョーが出るからには一定水準かと期待してチェックしてみた。太郎は彼でなくてはできないような役とも思えないし、もともととくに食指が動く題材でもないのだが、家人が喜んで見ているので、三か月つきあうことになりそうだ。 チアダン部の友情物語…

『ポリティカル・アニマルズ』全6回(AXN HD 海外ドラマ)

8月に再放送予定。 題名から『ハウス・オブ・カード』並みの獣の闘争ドラマかと思いきや、それ以上に理想の追求、公務と家族の幸福の両立の問題、政治家とジャーナリストの付き合い方、みたいなテーマに比重が置かれた盛りだくさんなドラマだった。 国務大…