大河ドラマ

『おんな城主直虎』第28回『死の帳面』

"国衆はつらいよ!"と"武士だけでなく坊さんや商人も含めた戦国の風俗"の描写に力を入れている今年の大河。ちょっと受け狙いな感じの"政次カワイソス"パートにはあまり乗れず。うじうじしたしの相手に暴走気味の父性を示した回以外は、主人公にもこれといって…

『おんな城主直虎』第15回『おんな城主対おんな大名』

ストーリーはそこそこ骨っぽい。一番の期待は菅野よう子の音楽だったのだが、自分が勝手に期待していたとんがったメロディーとはほど遠い――プロデューサーの意向なのかどうかわかりかねるが――子ども向けの時代劇アニメに流れそうなBGMがたびたび流れる。昨年…

『おんな城主直虎』予告

ダークな味わいに惹きつけられる。言葉遣いもヘンに現代風にしていないところが好みだ。視聴率がらみで外野が現場に妙な圧力をかけることがなければ、それなりにおもしろい話になりそうだ。主演をあまり前面に出さず、あくまで群像劇で押してほしい。『風林…

『真田丸』雑感こもごも

しまらないtwitterもどきのように印象に残った点を羅列。*何度も地図を見せてくれてたいへん親切だった。陣構えの説明もわかりやすかった。*せっっかく真田丸のセットを組んだのに、冬の陣の合戦シーンがしょぼくて残念。エキストラの指導がむずかしいのな…

『真田丸』完走

今年のエンタメ界は、未見の『君の名は。』、『逃げ恥』、etc.をふくめて質、客受けとも豊饒の一年だったようだ。で、そうした幸福な作品の一つが『真田丸』だった。近年は何度も「大河はもうおしまいか」と思わされたものの、過去10年に、『風林火山』、『…

『真田丸』最終回

大野治長「ただちに御出馬を」その気になる秀頼。使者その1「一大事でございますー。馬印が引き返したのを見て雑兵どもが逃亡」秀頼「今から出馬する」使者その2「申し上げます。真田勢が引き上げ、毛利勢苦戦のようす云々」治長「どうやら流れが変わった…

『真田丸』第43回『軍議』

サブタイトルを堂々『軍議』と名付けて、ちゃんと魅せる脚本家が今年の作家でまことに僥倖。軍議をまともに描けたのは、過去10年では大森寿美男と山本むつみくらいだ。藤本有紀は古典の抜粋みたいな軍議シーンだけはよかった。 幸村が具体的な策を出し、せっ…

『真田丸』第38回『昌幸』

重要人物が四人退場。前回は関が原の敗者の悲哀を存分に描き、今回は信繁の起死回生の道がどんどん細くなっていくようすを描いている。上杉景勝はひきつづき存命だが、会津百二十万石から上杉三十万石まで減封処分。もはや頼れる大名ではなくなってしまう。 …

『真田丸』第35回『犬伏』

もしかしたら今年度で一番大事かもしれない"犬伏の別れ"の回。あくまでも真田視点の物語なので、西軍のトップに毛利が立つまでの経緯は省略気味。 回を追うにつれ、信幸が大局を見る目を養っていることが描かれてきたので、今回の決断にもまったく違和感がな…

『真田丸』第33回『動乱』

お歴々の頭脳的心理的な戦いの迫力に満ちた45分間だった。脚本が三谷幸喜で、演出が三谷幸喜でなかったからこそ視覚的な躍動感や緊張感も味わうことができたというもの。 悲しいほど人集めの手練手管にたけていない三成。こんなんで関ケ原の西軍の成り立ちを…

『真田丸』第32回『応酬』

巨星墜つ!の次の回だから失速しても文句は言えないところ、そんなこともなく、『応酬』のサブタイトルに恥じない緊張感のある回だった。過去15年、大河は薄味が当たり前になってしまい、知力を尽くした話し合いや恫喝が拝めるのは『風林火山』と『八重の桜…

『真田丸』第31回『終焉』

信繁が接する世間がぐっと広がりそうな予感で終わった上田編最終回とまったく異なる雰囲気の、秀吉編最終回であった。武田勝頼や北条氏政が戦って美しく散ったような印象を与えたのにひきかえ、秀吉の孤独な最期のなんという無残か。小日向文世の練達の演技…

大河ドラマ『真田丸』プレミアムトークショー(雑な備忘録)

日時:2016年6月5日 午後2:30~3:45会場:ホテル日航熊本、中宴会場『天草』出席者:500名前後(県外からの来訪者が1割前後)講師:新井浩文 と銘打っていたが、新井浩文を中心に(屋敷陽太郎Pと田中正Dにも)女性アナウンサーが大河の話を訊く、という体。…

『真田丸』第19回『恋路』

愛する女に「私は日の本一、幸せなおなごでござりました」と言って死んでほしいと願う秀吉。最終回に向けての最大の興味の一つが、茶々の最後の台詞になった。秀頼に向かって「わらわは日の本一、幸せな母じゃ」と言わせるのか、家臣が家康への恭順を説くの…

『真田丸』好調続く

第9回『駆引』鷹に俯瞰させる形で、期間はわずか五ヶ月弱ながら濃密極まりない"天正壬午の乱"の終結を描いた。どれほど昌幸が策を弄しても大大名たちには叶わない。国衆の悲しさゆえのようにも、昌幸自身の思考法に問題があるゆえのようにも感じられるように…

『真田丸』第8回『調略』

久々におふざけシーンが少なく、また"本来の"直江兼続の言動もふくめて大河ファン歴史ファン待望の調略劇が描かれ、少なからぬ視聴者に至福の時が訪れた夜だった。 ちょっと笑えたのは、お仕事内容を勘違いしている脳筋おにいちゃんとしっかり者の梅との会話…

『真田丸』第7回『奪回』

およそ三谷幸喜くらいマチズモからかけ離れたイメージの脚本家もいないし、今年の大河の演出風味は、硬硬軟軟硬軟軟……みたいな感じだが、大名も国衆もおのが勢力範囲を拡大するため生き残るために、優しさなんぞとは無縁のところで知力胆力をつくして戦うド…

『真田丸』第4回『挑戦』

噛みごたえのあるダイアローグ! 今回はこれに尽きる。昌幸が織田にはったりかますつもりで書いたインチキ手紙の真相を、三方ヶ原で蹴散らした相手、家康が暴こうとする。重厚なムードの有無はさておき、狸親父の化かし合いの内容は『太平記』レベルだった。…

『真田丸』第3回『策略』

脚本家が書きたくて書いている題材だから大きな不安はなかったが、コメディパートの悪乗りや過度な現代風味だけは勘弁してほしいと思っていた。意外なことに、極太陰険大河『草燃える』(再放送録画視聴)でさえ、北条政子の妹たちが「お姉さまってば、聞い…

『真田丸』第1回『船出』

にやけちゃだめだ、にやけちゃだめだ、にやけちゃだめだ…… 『花燃ゆ』でさえ初回には光るところがあったし、『軍師官兵衛』だって7回くらいまではそこそこおもしろかった。終盤失速した『八重の桜』も初回は重厚かつ繊細で、ついに本格大河完全復活かと思わ…

ドラマ、ゆく年くる年

今年は『64(ロクヨン)』、『洞窟おじさん』、『経世済民の男』シリーズ、『天皇の料理番』、『大杉探偵事務所~砕かれた過去編』がほぼ横並びのベスト5。次点で『一番電車が走った』。『料理番』は最近の大河に欠けた部分を描いているところが好きだった…

どっちが大河?

『花燃ゆ』第17回『松陰、最期の言葉』録画視聴。実質上の上三半期の主人公が退場したというのに、この感慨のなさはなんぞ? 主人公(仮)の文は、兄の論理を理解できなかったのはしかたないにせよ、情においても濃いつながりがあったようにも見えないのが困っ…

『花燃ゆ』第16回『最後の食卓』

聞いていて納得できた台詞は、「見苦しく動き回るな」と「お前の叫びごときで意見が揺らぐ兄ではない」の二つくらい。どちらも中高年男性が文をたしなめるものだ。内野謙太の町人髷は似合いすぎである。すこししか映らない幼児も含めて、子役選びに優れてい…

『花燃ゆ』第15回『塾を守れ!』

冒頭20秒はまるで大河ドラマのように緊迫感があった。なぜ日米修好通商条約に尽力した岩瀬忠震を出さないのだろう? この人と井伊大老の決裂を描くだけで大きなダイナミズムが生まれるだろうに……大河とBSの歴史番組の質にここまで開きがあるのはちょっと歪だ…

『花燃ゆ』第14回『さらば青春』

とりあえず、桂役の東山氏が座る動作だけでも時代劇のムードを出していたので、まるまる45分無駄にした気にはならなかった。中の人が苦手なこともあいまって、いつもプルプルしている小田村を消去したくてたまらない。松陰たちをなだめるのが、もっと上の役…

『花燃ゆ』第13回『コレラと爆弾』

2月にいったん脱落したのだが、松陰が死ぬ回まで4回くらいは見るために視聴再開。 ネットでさんざん悪評を目にしていたので、"聞きしに勝る"とまでは思わなかったが、お金と手間がかかっていそうなセットにふさわしい物語が展開しないので、大道具さんがつく…

『花燃ゆ』第5回『志の果て』

禁門の変まで視聴中断しようかと思っていたところ、チャンバラシーンがあるらしいと聞き、また井川遥の美貌が拝めそうだしということで、だらだらとまたも視聴した。 桂小五郎の剣術の腕にふれたドラマは珍しい……にしても、あまりにもあっけない立ち回りであ…

『花燃ゆ』第3回『ついてない男』

大河の各種スタッフは他局にくらべてレベルが高いのだから、賞賛すべきところを賞賛すると……いろいろなセット作りに予算も労力も投入されていると感じた。小田村家――この家の夫婦の存在はまったく邪魔でしかないのだが――のこじんまりした家屋も、少年たちが…

『花燃ゆ』第2回『波乱の恋文』

訪問者さま先日は、たくさんのスターをありがとうございました。時代劇の感想を書いていると、『平清盛』以来ひそかに拝読しているツイッターのアカウント様に引用していただくことが何度かありました。この年末年始の記事について久々に同じことがあり、望…

『花燃ゆ』第1回『人むすぶ妹』

番宣でさんざん「『風林火山』が好きな奴は見るんじゃねーぞ! 見るんじゃねーぞ!」と念を押していたので、川井憲次の音楽を聴き、一部キャストの顔を見るためだけにチェック。ひとことで言えば、そんなにばかみたいな話ではなかった。ここ数年の大河が、高…

『軍師官兵衛』第28回『本能寺の変』

苺 パンツの信長だ15 8 2 年 本能寺の変と、受験生が覚えてくれればそれでいい。 本能寺の庭がまさに芋を洗うがごとき混雑ぶり。こんなのは見たことがない。スタッフが、せめて台詞と無関係な部分でがんばろうとしていることがうかがわれる。「生か、死か」…

大河のキャスティングあれこれ

『軍師官兵衛』の脚本について云々するのはもはや徒労という感じなので、役者のことだけ。谷原章介演じる竹中半兵衛が退場したので、そろそろ視聴打ち切りの潮時か。知的に見える登場人物が消えてしまったのが見ていて辛い。だし役の桐谷美玲は大健闘だった…

『軍師官兵衛』第17回『見捨てられた城』

たまには、よい点を多めに指摘しよう。合戦シーンで、死体と怪我人の準備に手間をかけているのがよくわかる。準備と後片付けの様子も比較的ていねいに撮っていると思う。 半兵衛の台詞だけ別の脚本家が書いているみたいだ。「おぬしの目はくらんでおる。おぬ…

『軍師官兵衛』第14回『引き裂かれる姉妹』

まずは、『平清盛』で見て以来気になる須田邦裕が登場して嬉しかった。私が見るドラマや映画でしきりに見かける脇役俳優といえば、以前は寺島進だったが、最近は須田氏になった。須田氏のほうが柄がいいかな。前科者や軍人が似合うから、当然武士もはまる(…

『軍師官兵衛』第13話『小寺はまだか』

なにも心に引っかからなかった。大河マニア界隈では、最近の『官兵衛』のなかではそこそこという評価が多いようなので、作品の質を心配するよりも、当方の注意力散漫と耄碌を心配したほうがいいかもしれぬ。

『軍師官兵衛』第11話『命がけの宴』&第12話『人質松寿丸』

主人公まわりのアクションがない回は見どころなしと悟っていたはずが、軽度な拷問のように感じられたこの二週である。 先週は、黙っていても騒々しい陣内孝則が宇喜多直家として登場。芝居は『太平記』のバサラ大名と同じ、外見は当時より太ったかなぁ、とい…

『軍師官兵衛』第6話『信長の賭け』

完全にタイトル負けした内容だし、先週とちがってこれといったアクションシーンもなかったが、感想ゼロでもないので、いちおう書いておく。信長の衣装がずいぶん凝ってるのと、今まで見たことがないタイプなのがおもしろかった。衣装の中身のおもしろくなさ…

『軍師官兵衛』第5話『死闘の果て』

青山・土器の戦いの描き方が、歴代大河のなかで秀逸といえるレベルかどうかはさておき、今年楽しめる唯一の要素"アクションシーン"があったから、今回はある程度満足。 黒田を見捨てて逃げ出す小寺の殿さま。これでようやく、鶴ちゃんがスタッフから「『仁義…

『軍師官兵衛』第4話『新しき門出』

覚悟はしていても、中谷美紀の無駄遣いが悲しい。女性を木に登らせるのは、朝ドラ第一作以来のNHKの伝統だそうだが、こういうつまらない習慣は終わりにしてもらいたい。白洲正子がはまる女優にはしたない真似させてはあきません。 今回、唯一ちびっとでも嬉…

『軍師官兵衛』第3回『命の使い道』

「命を粗末に使ってはならんぞ」かんべえのおじいさんは、そう言うと、魚に中って死にました。(嘘です) 中毒の「あたる」を「中る」と書くのは、今日初めて知った。PCのおかげで一つ覚えた。初恋の女性を殺された官兵衛が、いきなり「戦いくない」とわめい…

『軍師官兵衛』第2回『忘れえぬ初恋』

『平清盛』はドラマ内容はともかく、OPは見るたび聞くたびにわくわくしたのに、どうも昨年からOPを主演のPVもどきにしていて違和感がある。音楽もメリハリに欠ける。今年の主役は、ブッキーや松ケンに比べれば時代劇適性はあるし、たしかに見栄えのする人だ…

『軍師官兵衛』の番宣のシッポと初回放送

今年の大河は前宣伝をかなり長めにやっていたようだ。5日のカウントダウン・スペシャルの最後1時間だけ見た。*片岡鶴太郎は、スタッフから「『仁義なき戦い』の金子信雄のノリで演じてくれ」と言われたとか。ちょっと興味がわいてきたぞ。鶴太郎のほうが…

八月十八日に始まった謎の日8ドラマと来年の大河について

八重を主人公にすえて復興大河と銘打つならば、明治期には、元藩士の斗南での苦闘、八重の薩長への恨み、茶人や看護婦としての活躍、会津の復権を描かねばならないはずだが、前者三つは中途半端で、最後は八重の叙勲をのぞいてろくに描かれなかった。前半の…

佳作大河『会津藩物語』全三十二回を振り返って

今年、NHKは俗に言う『八重の桜』を一年かけて放送した。脚本家は信用できそうだけど『天地人』の内藤Pの再登板だから最後まで油断大敵!と思いながらも、予想外に満喫できた……八月十一日までは。『篤姫』~『平清盛』と比べれば、アマとプロの違いがあると…

まずは『八重の桜』の幻の回など

本日から益体もないことをつぶやいてまいる所存でございます。だったらツイッターやれよって言われそうですが、あれを始めたら炎上を招き、廃人と化し、業務および私生活に支障をきたすのが目に見えております。トピックは、ドラマと映画の感想になるでしょ…