単発ドラマ

向田邦子新春シリーズ再放送(TBSチャンネル2)

1992~2000年に初回放送された『華燭』、『家族の肖像』、『いとこ同志』、『風を聴く日』、『響子』、『空の羊』、『小鳥のくる日』、『あ・うん』を視聴。 演出は全作、久世光彦。時代設定はすべて昭和十年代なかば。脚本は『響子』と『あ・うん』が筒井と…

『大江戸事件帖 美味でそうろう2』(BS朝日)

「俺は矢立屋だ。矢立屋の仕事ってのはな、主義主張を訴えることじゃねぇよ。真実を伝えることだ」いい台詞なんだが……このTV局と関係がある矢立屋連中は、どう見ても主義主張を訴えることが使命と思い込んでるんだがね。 アヘン騒動の謎解きと、敵討ちに奔走…

『わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた』

ふた昔前なら主演を張るタイプではない多部未華子と高橋一生が出ると聞いて視聴。スタージュエリーの、フジテレビによる、スタージュエリーのためのドラマであった。アクセサリー(&それをつけた女優)をちゃんと撮ることに注意が払われているため、画面が明…

『漱石悶々』

二、三の点でひじょうに苦手な脚本家。しかし、めったにクローズアップされない磯田多佳が出てきて、しかも演出が源孝志。後者の磁力が勝ったので視聴した。ちょいと高級な酒を使った菓子を味わうような一時間半であった。 京の旅館、お茶屋、大丸別荘、伏見…

『鬼平犯科帳 THE FINAL』

京極備前守「いかな人助けでも、悪をもってしては台なしではないか」長谷川平蔵「ごもっともなる仰せ。しかしながら、貧しき者の理屈はまた別。命をつなぐひと椀の粥に、善悪の区別がござりましょうや。人というものは、良いことをしながら悪いことをする、…

『池波正太郎時代劇スペシャル 顔』(時代劇専門チャンネル)

ネタバレあり。 原作未読。 『真田丸』は楽しい歴史エンタテインメントだし、土曜日の『忠臣蔵の恋』は新規顧客開拓のためにも時代劇の火を維持するためにもよい試みだし、今年は時代劇ファンにとっては悪くない年だ。さらにありがたいことに、またしても時…

『狙撃』

原作未読。警察機構の改革ネタといい、公安の陰謀ネタといい、手あかがつきすぎではないのか。チェック機能が働かない第四権力がこんなドラマ作って悦に入るのは笑止。演出でおもしろくなっていればテーマなんかどうでもいいし、ヒロインと花村や成瀬の交流…

海外の歴史番組

『戦争と平和 WAR&PEACE』(NHK総合)トルストイの原作をどんなふうに料理してくれるのか、まだ様子見の段階だ。第1回はともかく平原の戦闘シーンに迫力があったので満足。ロケも衣裳も小道具もそうとう予算がかかっていそうだが、全8話なら息切れせずにやり…

『必殺仕事人2016』

昨今地上波では貴重な痛快娯楽時代劇。スタッフ、キャストとも申し分なく、石原興の演出はあいかわらず冴えているが、跡を継ぐ若手演出家が育っているのかとても心配だ。結城はレギュラーだから死なない、なんて予想は甘いかなと思っていたら……甘かった。安…

『誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇』

フジだし時間の無駄かもしれないと思いながらいちおう録画。まじめに演出せざるを得ない児童誘拐と、笑いを取るための、かっぷくの良いミステリマニア(?)な家政婦さんの各種口真似やモロ師岡の娘がだんだん父親と同じ顔になってきちゃったネタを、2時間ドラ…

『蝶(ちょう)の山脈~安曇野を愛した男~』

山岳写真家の田淵行男を主人公にしたドキュメンタリーまじりのドラマ。さまざまな高山蝶、安曇平、北アルプスの山々。これら美しい映像を拝めただけで大満足。『新日本風土記』でも使いまわすか? 要らない史観が出てこないだけでも、『風土記』より清涼感の…

『百合子さんの絵本~陸軍武官・小野寺夫婦の戦争~』

のっけからなんだが、「小野寺夫婦」って……「小野寺夫妻」ではあかんのか? ここ数年、NHKのプロデューサーとしては一番高品質な作品を連発している訓覇圭が制作統括、2008年に傑作『あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機』(TBS)を書いた池端俊策が脚…

正月時代劇 『吉原裏同心~新春吉原の大火~』

近年の正月時代劇では、主演のうまさと作品のまとまり具合で『御鑓拝借~酔いどれ小籐次留書~』(2013年、竹中直人主演)が一番印象に残る。 今作は、行方不明の女たちを探索する過程がすっとばされ気味なのと、CGが発達したからこその焼け跡現場再現にして…

ドラマ、ゆく年くる年

今年は『64(ロクヨン)』、『洞窟おじさん』、『経世済民の男』シリーズ、『天皇の料理番』、『大杉探偵事務所~砕かれた過去編』がほぼ横並びのベスト5。次点で『一番電車が走った』。『料理番』は最近の大河に欠けた部分を描いているところが好きだった…

師走の時代劇

今年はBS時代劇『神谷玄次郎捕物控2』(高橋光臣主演)がダントツ、あとは木曜時代劇『まんまこと~麻之助裁定帳~』(福士誠治主演)くらいか……と思っていたら、今月は予想外の時代劇サービス月間だった。来年公開の映画『真田十勇士』(堤幸彦監督)では、…

『大杉探偵事務所~砕かれた過去編』

『64(ロクヨン)』、『経世済民の男』シリーズ、『洞窟おじさん』。今年のドラマはNHKの一人勝ち状態だったが、本作はそれに迫る力作。精神的にダメージを受けたくないときには絶対に見てはいけないハスミ・ノワールの佳作だ。劇場版と同じくPG12にしてもよ…

『大杉探偵事務所~美しき標的編』

予想以上に愉快なメタ・ドラマ。スタッフがMOZU本編、刑事ドラマ、ハードボイルド、芸能界などの素材で好き放題遊んでいた。ゴールデンにこんな自由がまだあるのかとちょっぴり驚いたり、TBSはドラマに愛があるのだなと思ったり。脚本担当の仁志光佑は――本人…

超低速! 『鬼と呼ばれた男~松永安左エ門』感想

予想どおり鋼太郎がウルサイウルサイ。松永のキャラクターも強烈なだけで特に魅力的というわけでもなかったが、画面の絵作り、音、物語とも、三作中もっとも力強いドラマだった。しいて言えば、『是清』の魅力はしみじみした味わい。『一三』の魅力は軽妙な…

超低速! 『小林一三~夢とそろばん』感想と大河ネタ

「森下佳子はオリジナルだと失敗する」説を聞いていたので、恐る恐る鑑賞……が、オリジナルだけどおもしろかった。主人公の思考と行動をしっかり脈絡をつけて描き出す脚本もよかったが、それ以上に梛川善郎の演出が強烈で、やたらとミュージカルじみたシーン…

『経世済民の男』シリーズ『高橋是清』の感想と『おかしの家』への期待など

高橋是清が生きた80余年を、二時間で一気に駆け抜けた。「財政の天才」の側面を存分に描き切ったとは言いがたいが、政財界の要人たちとの折衝、女や子、孫たちとのあれこれをかいつまんでおもしろく見せてくれた。前編より後編のほうが勢いがあったように感…

お盆の娯楽

汁気過剰の糾弾バラエティー『反日どうでしょう』が横行する休暇シーズン。とりあえず5本のテレビ番組を視聴。2本はたいへんおもしろく、1本はかなりおもしろかった。 1.『キャンプX 実録・スパイ養成学校』(AXNミステリー)カナダ製ドキュメンタリー。二…

『玉音放送を作った男たち』

ドラマのおもしろさは、何を描くかと同じくらい、どう描くかで決まる。落ち着いた色調、品のいいBGM、扇情的ではない進行のテンポとも、歴史ドラマの鑑と言っていいような演出だった。台詞のレトリックは魅力的であり、台詞のない場面の演出も雄弁だった。脚…

下半期一番の期待作

『神谷』と『64』に匹敵するレベルを見せてくれるかも、と期待しているのが、現代ドラマと時代劇の中間みたいな時期を対象とした夏の特別ドラマ『経世済民の男』3部作(NHK総合)である。 一番楽しみなのが、ジェームス三木脚本、オダギリジョー主演の『高橋是…

6月以降の現代ドラマ

今年はもう『64(ロクヨン)』超えはないと思われるが、少々興味をそそられるのは…… 『民王』(テレ朝)エンケン、もしかして『湯けむりスナイパー』以来の主演か? ゴールデンなんかより深夜枠のほうが質的にマシに決まっている。彼が総理大臣とは若干荷が…

『天才探偵ミタライ~難解事件ファイル「傘を折る女」~』

ハムスターは見た!化粧が濃いおばちゃんの、最初から裏切るつもりの『走れメロス』案件が発端で、おばちゃん殺されるわ、めんどうな女がアパートに乗り込んできて自爆するわ……島田荘司の作風は日本的湿度を嫌うタイプかと思っていたのに、白いドレスの女の…

『ジャンクション39~男たち、恋に迷走中!~』と『笑う洋楽展』

およそもてそうもない男には、ミス日本の代表候補とつきあった過去があった。「ぼくには仕事の成功もルックスもない。だから自分を捨てられるんです。女性を前にいくらでも土下座できます」。この発言に衝撃を受けた演出家が、"エゴを捨てるってことが、人生…

『オリエント急行殺人事件』

クリスティ&三谷&ルメット版映画ファンとしては、二夜連続楽しい思いをさせてもらった。第一夜は原作をなぞるとのことだったので、こちらは言葉遊び探しをメインに鑑賞。*宮本武蔵は遅れてくるから、乗客「宮本」はたぶん遅れる*執事が読むのが『愛のと…

『鬼平犯科帳 密告』

数年前からわかっちゃいたことだが、お頭老けたなぁ(溜息)。江戸家猫八、蟹江敬三……と櫛の歯が欠けていくのも寂しい。あのスタッフ、キャストが揃ってこそのハイクオリティなので、吉右衛門以外の主演によるリメイクはとても考えられない。今年またこのシ…

今年の拾いもの

*ハードボイルド百花繚乱とはならず、『ロンググッドバイ』は演出家の好みが暴走した珍品、『MOZU』は後半脚本が迷走して惜しい作品となってしまった。それでも、前者は映像美が記憶に残るし、後者はスタッフ、キャストの思い入れが熱く伝わってくる意欲作…

『オリエント急行殺人事件』キャスト出そろう

4年前の三谷作品『わが家の歴史』(フジテレビ開局50周年特別企画)は、NHKやテレ朝では絶対に作れないタイプの傑作だった。今回は、三谷幸喜と野村萬斎がタッグを組んでクリスティー作品をリメイク。心躍る企画である。三谷作品は、舞台≧ドラマ>>>映画。…

『闇の狩人』

*時代劇専門チャンネルで、前編、後編、一挙リピート放送! 10月18日午後4時~ 11月3日午後8時~ 謎解きに関するネタバレはなし。 下半期のほぼ唯一と言っていい楽しみが終わってしまった。 放送時間が半分だったために、余分なものはかけらもなかった印象…

『春、バーニーズで』(2006年、WOWOW)

同名の原作(著・吉田修一)を、故市川準が脚色、監督。絶対にテレビ的ではないゆったりしたテンポや子供の撮り方が是枝裕和を思わせる。明確に違うかのがどこかはよくわからない。主人公の筒井はどちらかと言えばエリートサラリーマンの部類のようだが、登…

『撃墜』後編とフジのスペシャルドラマ

紫電改のスコープの仕組みを説明してほしかった。 前回予告を見た時の危惧は当たらず、後味が良い。日本の二次大戦ドラマはたいがい偉そうな反戦主義者が出てきて国体批判なぞを始めるものだが、主人公も妻もヘンな豹変によるキャラ崩壊とは無縁で、地道に真…

『実録・小野田少尉 遅すぎた帰還』(2005年)

リピート放送 ファミリー劇場で8月15日11:20-13:30 軍人の行動と中野学校での訓練の結びつきを描いた貴重なドラマ。終戦後、三人でゲリラ戦を行っていたこと、たびたび日本側から帰国の呼びかけがあったことは初めて知った。くどいBGMなどやたらと感情をあお…

これからの時代劇など

スカパーでは9月、時代劇専門チャンネルでは10月にオリジナル時代劇『闇の狩人』放送決定!! 堂々3時間の長編で、前後二回に分けるようだ。『鬼平』、『剣客』、『梅安』――池波正太郎の魅力ここに結集! と言われればいやでも期待が高まる。主演は『夜兎の…

『みをつくし料理帖』

時代劇マニアが褒めていたので、パート1の再放送を視聴。絵作りや世界観を云々したくなるBS時代劇にくらべると、BGM過剰でいろいろとチープだったが、民放の時代物の火をつなげようというスタッフの意思だけでも貴重であるし、全体にどちらかといえば良質な…

『鬼平外伝 老盗流転』

1月13日14:00 リピート放送あり 時代劇専門チャンネル、松竹合同制作による『鬼平外伝』シリーズ第四弾。一作目『夜兎の角右衛門』は未見。二作目『熊五郎の顔』は悪くないという出来。三作目『正月四日の客』は胸に沁みる佳作。今回の『老盗流転』は前作を…

今年のBS

BS1とBSプレミアムの番組については、24日の記事でふれたので、それ以外について。 BSフジ『お伊勢さん』三重テレビ、渾身の伊勢神宮式年遷宮特別企画 。出雲大社だけでなく、近隣地区の自然、歴史、風俗、雅楽部養成のようすなど、幅広く網羅した情報番組。…

今年、印象に残ったNHK番組

まずは繰り言。『夫婦善哉』と『あさきゆめみし』の脚本家を逆にしてくれたら、前者をもっと楽しめて、後者は心置きなくスルーできたのに!『夫婦善哉』パンチのきいたBGMと潤沢な予算を感じさせるセットと衣装とエキストラから、大阪の人いきれが伝わってく…

今年見た民放ドラマ

昨年の『ゴーイングマイホーム』に匹敵する作家性に富んだ名作はなかった。お気に入りもリピートするほどではなかった。そして、自分が心惹かれるドラマはたいてい低視聴率の法則を再確認した。 『空飛ぶ広報室』ブルーインパルスの美技だけを目的に見たのだ…

来年のドラマ

『MOZU』(TBS&WOWOW)4月~夏先週録画した『ダブルフェイス』再放送の前後に『MOZU』のPR映像がくっついていた!80年代の空気が再現されているかどうかはわからず、とりあえず歩くメインキャラ3人のアップのみ。脳内の原作倉木の容姿は、恰幅よくした真顔の筧…

『IMATの奇跡』

出だし三十分はみごとなくらい説明台詞のオンパレード。そのことにあまり違和感を覚えないのは、こちらも医療ドラマのフォーマットを刷り込まれているということか。まともに全部見た医者ドラマは『外科医・有森冴子』くらいなのだが。全体に医者ものと警察…