『おんな城主直虎』第39回『虎松の野望』

"まだ十五歳"を強調するためとはいえ、虎松の顔芸のしつこさに辟易した。ただ、小才覚のあるこわっぱが大人にぺしゃんこにされる展開には、知的ゲームを見るおもしろさがあった。振り返ってみると『直虎』ワールドは、未成年を不当に活躍させないし、いわゆ…

秋の時代劇

その1:『名奉行! 遠山の金四郎』(9月25日8:00PM,TBS)昔の大スターが出た『遠山の金さん』にはまったく興味が持てなかったが、今作にはそんなにベタベタじゃなさそうな匂いを感じたので視聴。手堅い出来のエンターテインメントで、演出は石原興かと思った…

『おんな城主直虎』第33回『嫌われ政次の一生』~第38回『井伊を共に去りぬ』

今年の大河は評価はできても熱中はできないと感じてきたが、ここ数回はドラマとして引き込まれている。 主人公がみずから手を汚して政次を死なせる場面には度肝を抜かれた。そこまでして井伊を守ったのにあっさり領主の座を下りる直虎や、(真意はともあれ)…

『この声をきみに』第2回

船乗りが長い航海中、妻に本の朗読のテープを送るという話はユニークでいいエピソードだと思った。 キャストだけは魅力的なので、ためしにチェックを始めたが、脱落決定。授業態度がふまじめな大学生とか、中年男相手にむきになる女講師とか、作り手のセンス…

『眩~北斎の娘~』

光と影を際立たせる照明(佐野清隆)と撮影(相馬和典)とVFXがすばらしかった。稲本響の音楽も画面作りと競うかのように見事だった。ドビュッシーが「神奈川沖浪裏」からインスピレーションを受けて交響詩〈海〉を書いた話を彷彿させる。海外の映画祭に出品する…

『全力失踪』第3回

*今週の磯山東京に戻り、ホームレスになる。タカが仲間にしてくれる。ホームレスの先輩にいろいろ教わりながら、発見に満ちた生活を送る。タカの家族に会いに行く。タカさん死す。ホームレス同士で遺品争いが発生。磯山は大事な箱を奪取、現場から脱走する…

『悦ちゃん』最終回

これはハッピーエンドが約束されたコメディだ。春奴は碌さんをあきらめて旦那との腐れ縁に落ち着きそうだし、碌さんは鏡子とゴールインだろうし、だったらカオルは夢月とくっつくしかないだろうと予想しつつも、負傷した碌さんが囚われの身となるシーンがこ…

『全力失踪』第1回~第2回

「何やってるんですか、闇金のくせに!」にウケた。 営業職としてはいっこうに芽が出ず、家庭では邪険にされ、家族のためと思って始めた投資は大失敗。行き詰った男が全力で失踪する(たぶん)ロードムービー兼中年男の自己発見の物語が始まった。初回、磯山…

『伝七捕物帳2』第5回「鬼か仏か、屋台騒がす手拭い侍」

いつにもまして時代劇ならではの"絵"に魅了された。文字通り緑したたる境内で、寺の階(きざはし)に腰かけて語る若い侍と、分をわきまえて立ったまま応対する伝七。夜の室内。仄明るい行燈の明かりに浮かび上がる男たちの顔。 スタッフ(撮影:山本浩太郎、…

『伝七捕物帳2』第4回「伝七、狐に化かされる」

『吉原裏同心』で完璧なドラマデビューを飾った野々すみ花がゲスト出演。彼女が演じる女盗賊・白狐のお仙は、ちょっとした女優なら誰もが挑戦したいであろう、『雲霧仁左衛門』の七化けのお千代のような役柄だ。ふた昔前の池上季実子でも見てみたかった。で…

『ワンダーウーマン』(監督:パティ・ジェンキンス)

訛ってるけど可愛いお姫様だった!母上も訛らせるためにデンマーク出身のコニー・ニールセンを使ったのか、それともガボットの発音を真似させた? アメコミにはまったく不案内だが、あまりにも目利きの方々が推奨するので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラク…

『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』第5回「専属作詞家・碌太郎」

今回も愉快で盛りだくさんだった! 公式HPにユースケ・サンタマリアのインタビューが掲載されていた。「男が女性に求める要素は母性、ミステリアス、色気と3つあると思うんですけど、それぞれがその役割を担っている」この言葉さえ引用すれば、以下は蛇足で…

『1942年のプレイボール』だけおもしろかった件

前半愚痴注意。お盆の番組というのはもともと日本人から思考力を奪うための企画であったが、今年は"今そこにある危機"が増しているにもかかわらずそれをやり続けている点が罪深い。しかも資金源は受信料。NHKにはいったん始めるとやめられない習性があってWG…

『悦ちゃん』第2回~第4回

『4号警備』もよかったが、この調子なら『悦ちゃん』が今年のNHKドラマ、マイベストになりそうな勢いだ。第2回でお嬢様との縁談は破談決定かと予想したら、意外と引っ張っている。 見合いののち、碌さんは心機一転名作をものするかと思いきやあいかわらず評…

『ブランケット・キャッツ』最終話『さよならのブランケット・キャット』

平成版『生きる』としてしばらく記憶に残りそうなエピソードだった。「死ぬな、死んじゃだめだ!」どの人間関係でも一歩踏み込むことができなかった秀亮が、たえ子を救おうとざぶざぶ海に入っていく。手持ちカメラが作る揺れる画面にも役者二人の演技にも、…

『密使と番人』(時代劇専門チャンネル)

ネタバレあり。 8/11、29、9/30再放送あり。渋谷ユーロスペースで上映中。 ドキュメンタリータッチの時代劇。19世紀初め、蘭学者の一派が日本地図をオランダ人に渡すため、若き蘭学者、道庵を密使として江戸から出発させる。彼を追って山狩りする番人たち。…

『ブランケット・キャッツ』いよいよ終盤へ

第5話『嫌われ者のブランケット・キャット』今のところ、第5話が一番意外性があって、プロットそのものにも魅せられた。老人の理不尽に見える用心深さの背景には、息子一家を喪う悲劇があった。卓也は浅はかだが純粋で、人の気持ちの核心がよくわかる。そん…

『おんな城主直虎』第28回『死の帳面』

"国衆はつらいよ!"と"武士だけでなく坊さんや商人も含めた戦国の風俗"の描写に力を入れている今年の大河。ちょっと受け狙いな感じの"政次カワイソス"パートにはあまり乗れず。うじうじしたしの相手に暴走気味の父性を示した回以外は、主人公にもこれといって…

『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』第1話

明るく楽しい連続ドラマが始まった。"時代劇"ならぬ"時代ドラマ"枠だそうな。『みをつくし料理帖』は総合点の高い時代劇だったが、小野寺のぎすぎすした物言いが、やっぱりいかにも藤本調で大好物とはいかなかった。今回は、昭和初期の風俗を楽しめればじゅ…

『ブランケット・キャッツ』第3話『二人ぽっちのブランケット・キャット』

健康、記憶、仕事、持ち家など今まで持っていたものを失った人々が苦しんでいた1話2話。長らく持ちたかったもの――ものというか、子どもだが――をあきらめて、次に進もうとするのが第3話。世間的には前2話のほうが深刻と受け取られるのだろうが、石田夫妻の痛…

『ブランケット・キャッツ』第2話『わが家の夢のブランケット・キャッツ』

岩合さんの『ネコ歩き』の向こうを張って、猫好きホイホイ企画がスタートした。 二匹一役はなさそうだ、二匹一役なのか三匹一役なのか? 初回、巧い具合に猫が椎名秀亮の肩に載ったが、あれは演技指導のたまものなのか、まさかトレーナーがぶん投げたのか? …

『破門 疫病神シリーズ』チャンネルNECO一挙放送

むっちゃおもろかった!末廣健一郎の威勢のよいBGMが耳に残る。 黒川博行の原作(『破門』、『疫病神』)は未読。2015年にBSスカパー!で連続放送されたのは知っていた。J:COMのおかげで2年後に拝めることができてありがたいことである。ヤの字のお仕事の人が…

生放送『裁判劇テロ』あなたの裁判は?!

6月17日放送分ネタバレあり ハイジャックされた旅客機を独断で撃墜し、164人を殺して7万人を救った空軍少佐。果たして彼は英雄か? 犯罪者か? 電話による視聴者投票の判決は!? 十か国で同じ設定の舞台劇を上演し、観客の投票を募ったところ、九か国は圧倒的…

『ダウントン・アビー6』第7回『悲しみの決断』

シーズン6は全10回だそうで、いよいよ7月9日で完全にお別れだ。予定通りシーズン3で止めておけばよかったのにと思ったこともあるが、延期したわりに怖れたほど脚本の質が落ちていない。プロットよりレトリックで魅せるのはあいかわらず。 観察眼、実行力とも…

『CRISIS:公安機動捜査隊特捜班』episode.8-10

episode.8間一髪、嫌味で保身しか考えないエリートみたいだった青沼が救援に駆けつけた、と見せて、すべては鍛冶の筋書き通りだった。この二ひねりと各自の特徴を生かしたアクションの組み合わせがおもしろい。樫井が秘密の技を繰り出す……なんてことはなく、…

『CRISIS:公安機動捜査隊特捜班』episode.7

いまのところ国内テロは暇と学歴を持て余した若者が起こし、小金と暇のある老人と主婦がシンパになったりするパターンばかりなので、進学校に通っていた大山に向かって坂本が「君はこっち側の人間じゃなかったのか」みたいなことを言うくだりは、私見ではい…

『CRISIS:公安機動捜査隊特捜班』episode.6

海外のドラマなら即射殺となるところ、日本特有の理由でそれができない。という現実をふまえて毎回工夫を凝らしたアクションシーンを見せてくれるドラマだが、今回も堪能した。それにしてもホームセンター店員の後片付け大変そうだな……。教団の面々がふた昔…

『CRISIS:公安機動捜査隊特捜班』episode.5

想定外で出てくる不審なおにいさんたちが物凄く人相悪いわけでもないので「平成維新軍?」と思ったが、そうではなかったらしい。ということで、episode.5は維新のみなさんお休みの回。 潜入捜査官の苦しみを語る西島秀俊……これ『ダブルフェイス』じゃないよ…

『小さな巨人』第4話

錚々たる人材を集めておきながら、ノンキャリが正義の浪花節とスポ根ドラマの型を延々見せる手法にそろそろ飽きてきた。2課が何を追ってるのかだけは気になるので、次回から1.3倍速と等倍を組み合わせた再生でチェックすることにしよう。 『THE FALL 警視ス…

『4号警備』第3回

久しぶりにドラマを見て感動した。ストーカー被害に遭ったうえにネットで中傷されて故郷に帰るしかなさそうだった由宇が、ガードマンとしてガードキーパーズで働いている! 架空の人物の話なのに心の底から「よかったな!」と思ってしまうとは。 今回は人間…