この冬の大河と朝ドラ

『おしん』 目利きの友人の強い勧めにより、再放送を視聴続行中。総集編はすでに視聴済み。初回からずっと構成がしっかりしていて、毎日鬼のように大量の台詞が流れてきて、それが各人の個性とぴったり合っていることに脱帽である。『あまちゃん』や『てるて…

1月のドラマ

『教場』警察学校が舞台という一点にのみ興味をもって録画視聴。厳しい指導が忌避される昨今、このようなドラマが作られ、かつ広く受け入れられるとはちと意外である。主役が恐れていたほどグネグネしていなくてよかった。片目を失ったという設定でコンタク…

『いだてん』とこれまでの大河、これからの大河

『いだてん』は、近現代スポーツ史を描いた傑作大河であった。志ん生が語る"腹っぺらしのマラソン馬鹿と泳げないけど水泳大好きまーちゃん"だけの物語と見せて、彼らをめぐる人々、そして志ん生の半生も志ん生の芸に魅せられた父子の人生も語る、名人芸のオ…

『いだてん~東京オリムピック噺~』最終回と初回

『時間よ止まれ』終了後、マジで拍手してしまった。スタッフ、キャストの皆さん1年間ありがとう! 最終話の雑感*老けメーク技術の進歩にしみじみした。イギリス映画の『炎のランナー』は冒頭、いきなり顔にゴムくっつけたみたいな老けメークが映って、「こ…

12月13日『クマロク!』

『いだてん』最終回直前インタビュー #中村勘九郎*一つのシーンであれだけ走らされるとは思わなかった。以前は、走るのはもちろん歩くのも嫌いで革靴やブーツしか履かなかったけど、大河の撮影が始まってからはスニーカーを履くようになった。今じゃランニ…

第45回『火の鳥』

3話かけて大人の政治ドラマを描き、まーちゃんは陽気な寝業師に負け、寝業師はあっさりオリンピック担当大臣をやめ……前回は、まーちゃんをお友だちが訪問する場面で終わった。重い政治ドラマっぽい流れを、懐かしいような青春ドラマのノリで締めてくれた。 …

大河ドラマ「いだてん」トークツアー ファイナル in 熊本

[12月11日追記] 12月13日(金)18:10~ NHK熊本『クマロク!』 宮藤官九郎&中村勘九郎に訊く「いだてん」最終回 (おそらくトークショーの直後撮影されたもの) [追記終わり] 会場:熊本城ホール シビックホール日時:11月30日(土)1時半~2時半トークゲスト…

第44回『ぼくたちの失敗』

金栗四三と家族友人の素朴な人間関係から始まった『いだてん』が、ここ三話くらいはスポーツドラマとして以上に政治ドラマとしてわくわくさせてくれる。 主人公が転落する回だからこそ笑いを大切にしたとはスタッフの弁。その意気やよし! インドネシアでの…

『磯野家の人々~20年後のサザエさん』

松岡茉優と西島秀俊が出ているならちょっと見てみるか……と録画してみた。わざわざ見なくてもよかったというのが正直なところ。 音楽が映画『海賊とよばれた男』に似てるなあと思ったら、やはり佐藤直紀だった。格調やスケール感がただよっていて、『経世済民…

『まだ結婚できない男』がおもしろくて悪いか!

シリーズ1から13年もたったので、スタッフとりわけ脚本家の腕がなまっているのではないかと危惧したが、全然失速の気配はなく、毎週楽しませてもらっている。タイトルのフォントや音楽のアレンジがちょっと変わっただけで、以前のテイストは大切にされている…

第40回『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

『リバースエッジ大川端探偵社』でうらぶれた男を好演した岩井秀人。以来気になる存在だったが、今回は肝心な時にアキレス腱を切って演説が出来なくなる外交官、北原英雄がはまりすぎていた。「デゾレ」連発が気の毒ながら、演出の妙もあってかすかにおかし…

『いだてん』いよいよ最終章!

次回のサブタイトルは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!田畑政治・後編への期待止まず。信長も龍馬も出てこないけど、魅力的な男女が織りなす人間模様と日本が、そしてときどき世界が動くさまが生き生きと伝わってくる。今のところ残念な回はゼロである…

『ピュア! ~一日アイドル署長の事件簿~』(全3話)

今年のお盆シーズンは『いだてん』以外の総合番組全滅……ではなく、セのつくものと無関係なドラマならと期待していた。昨年の大傑作『満願』のようなゾクゾク感は味わえずとも、不愉快ではないひと時を過ごすことができた。この調子で今夜も明日の晩も飛ばし…

『いだてん』息切れせず

7月に入ってからも箸休めの回やら残念な回やらがまったくない。歴代の傑作大河の中でも、なかなか稀なことではないだろうか。 第28回『走れ大地を』「実はな、記者を辞めようと思う。新聞なんて無力だ。いくら得意になって政府を批判したところで、庶民の暮…

上半期の映画

『マダムのおかしな晩餐会』(監督:アマンダ・スティール)階級社会フランスを舞台にした有毒成分高めのコメディ。リッチなマダムの強引さにドン引き。最後をポジティブに終わらせたいにしても、若干無理のあるエンディングと感じた。 『ヴィヴィアン・ウェ…

『いだてん』第27回『替り目』

とっくに折り返したのにと思ったが、今回が本当に主役の替り目だった。クドカン&大根仁のコンビにしてはしんみりしちゃったなと思ったが、しんみりついでに人見選手の最期を入れなかったのは見識。前回がりっぱな『人見絹枝の一生』で、若くして亡くなったこ…

『いだてん』第二部も快走つづく

『いだてん』の何がいいって、ドラマ全体にタイトルどおりの疾走感や生命力があふれているところである。さらっと見てもおもしろいし、再見すればいつも新しい発見がある。クドカン本人が全然エラソーじゃないしインテリぽくもない(失礼!?)ので作品自体も単…

コメディ・ドラマ

『おしい刑事』おもしろそうな企画だなあと思っていたのだが……演出のテンポがコンマ数秒、自分の生理と合わなかったらしく第一話でリタイア。 『大富豪同心』豪商が財力に物を言わせて孫の卯之吉を奉行所に就職させる。お孫ちゃんは、賊を前にすると恐怖のあ…

『いだてん』第11回『百年の孤独』

月刊TV雑誌"TVnavi"では第11回は『威風堂々』と記載。負けたりとはいえ堂々たる走りを見せた弥彦にふさわしいけれど、『百年の孤独』はより深みがあってこれでよかった。「日本人に短距離は無理だ。百年早い」と語る彼に、「後輩たちが400mリレーでメダルを…

『まんぷく』残すところあと2週間

ラーメン好きの家人が好んで録画チェックするので、つきあい視聴。初めのうちは時々おもしろい昭和コントという印象だったが、折り返し地点あたりからだんだんおつきあいが苦痛になり、最近はカップラーメン製造工程のネタだけが救。ハキハキ歌うのが身上の…

『女川 いのちの坂道』

実在の"女川1000年後の命を守る会"の活動をもとに、復興半ばの街と青年たちをとらえたドラマを、ロードムービータッチで描くフィクション。NHKは昨年からドローンをフィーチャーしたドラマ作りが目に付く。今回は咲の家があった場所から一気に上昇するアング…

『女川 いのちの坂道』

実在の"女川1000年後の命を守る会"の活動をもとに、復興半ばの街と青年たちをとらえたドラマを、ロードムービータッチで描くフィクション。NHKは昨年からドローンをフィーチャーしたドラマ作りが目に付く。今回は咲の家があった場所から一気に上昇するアング…

『ベトナムのひかり~ボクが無償医療を始めた理由~』

日本とベトナムを往復しながら、日本ではフリーの眼科医として稼ぎ、ベトナムでは無償医療を続ける実在の医師をモデルにしたヒューマンストーリー。 歌、画面とも美しい冒頭の数分間とクライマックスが見事に呼応する佳作である。適度な笑いをちりばめつつ、…

小河ドラマ『龍馬がくる』(時代劇専門チャンネル&カンテレ)

おおいに笑えて脱力する"非"本格派時代劇。30分(実質20分前後)×4話構成。"人生最後"の龍馬を演じる武田鉄矢本人の前に、本物の龍馬(三宅弘城)がタイムスリップしてくる。本物は、偉人伝に描かれた人物像とはまるで違う情けないところが多いけれど、ノリ…

『家康、江戸を建てる』

将軍みたいなお名前の門井慶喜の原作は未読。昨年の『風雲児たち~蘭学革命篇~』に続いて、合戦ものではない単発時代劇が正月に放送された。治水は太古の昔から統治者が直面する大きな課題だった。家康についてはまったく不勉強な当方だが、いろいろ知れば…

『母、帰る~AIの遺言~』

作者の言葉……三國月々子 およそ人生にまつわるあらゆることに正解は見つかりません。そこにあえて、常に明確な回答を提示するAIを置いたらどうなるか……。 抱えた矛盾をぶつけあう家族たちが「それでも」と顔を上げてお互いを見る。そんなささやかな物語を生…

『いだてん』第1回『夜明け前』

祭りが始まった! 大友良英の疾走感のある音楽。明治の溌剌感とか大正モダンとか戦後の高度成長期の明るさとか、いろんなものを感じさせる横尾忠則の絵作りも楽しい。紆余曲折はあっても、「スポーツって楽しいもんだ」、「オリンピックっておもしろいもんだ…

今年の国内ドラマ

民放の連ドラでリアル視聴したのは『コンフィデンスマンJP』のみ。古沢節は健在だったものの、『リーガルハイ』第一部や『デート』に比べると、コンマ数秒自分好みのテンポより遅かったり、どんでん返しがしつこく感じられたりで、永久保存する気にはなれず…

今年の海外ミステリ追加

鳥頭が感銘を受けた作品を二つ思い出した。 『ライン・オブ・デューティ 汚職特捜班』(2012年BBC2) イギリスの警察署内の不正を捜査するAC-12に配属された男がじわじわと汚職警官を追い詰めたりネチネチといたぶられたりするお話。 ここに注目その1:映画出…

今年の海外ドラマ

不覚にも北欧の作品をチェックしそこなった。鳥頭ゆえ、直近のものから覚えている範囲でさかのぼって列挙を試みる。 『無実はさいなむ』(2018年BBC)不安をあおるカメラワーク、達者な俳優陣、(たぶん)原作からの巧みな逸脱。登場人物の過半数がいやな奴な…